断熱性能が良い家は快適か?そのデメリット その8 地域ごとの「太陽の恵み」とどうつき合うか?
🗾 太平洋側と日本海側では、窓の設計も変わる
――地域ごとの「太陽の恵み」とどうつき合うか?
「断熱性能を上げたい」「冬の寒さをしのぎたい」
家づくりを考えるとき、つい全国共通の基準や性能値ばかりを気にしがちです。
でも実は、窓の設計や日射取得の考え方は、“どこに住むか”によって変える必要があるのです。
☀ 太平洋側:日射が多く、冬は晴れる
太平洋側(関東・中部・東海・関西など)は、冬でも晴天の日が多く、
南面からの太陽がしっかり差し込みます。
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日射取得型の窓を南面に設けると、冬でも無暖房でポカポカ
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太陽の熱をしっかり「取り入れる設計」が快適性と省エネにつながる
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一方で、夏の日射遮蔽(庇・ブラインド)が重要
☀ 晴れが多いからこそ、「太陽の熱=無料の暖房」を最大限活用できる地域です。
🌥 日本海側:日照が少なく、冬は曇天が多い
一方、日本海側(北陸・山陰・東北の一部など)は、
冬場に曇りや雪の日が多く、日射取得が期待できない日が続きます。
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冬の太陽は隠れがち → 日射取得だけに頼れない
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断熱と気密をしっかり確保することが最優先
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南面に大きな窓をつくっても、期待通りの熱は得られにくい
そのため、日本海側では「熱を取り込むより、逃がさない工夫が重要」なのです。
🧭 地域の気候に合わせた窓選びが“本当の性能”を引き出す
| 地域 | 設計の重視ポイント |
|---|---|
| 太平洋側 | 日射取得:日当たり・窓配置・庇の調整 |
| 日本海側 | 断熱保持:窓の断熱性能・気密性・通気対策 |
そして重要なのは、「どこに住むか」だけでなく「どの方角にどう暮らすか」という生活動線も含めて設計すること。
✅ ビオハウジングの考え方:地域性+感性の設計
ビオハウジングでは、家の性能だけでなく、
その地域の風土・光・湿気・暮らし方までを読み取った設計を大切にしています。
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南面の窓には、地域ごとに最適なLow-Eガラスを選定
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晴れる日が多い場所では日射を取り込み、蓄熱する床材を活用
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曇天が多い地域では断熱と空気質を整える素材で快適性を確保
単に「性能値を下げる設計」ではなく、自然と共に呼吸する家を、土地ごとにかたちにしています。
✍️ ブログのまとめ文
窓は、全国どこでも同じ選び方でいいわけではありません。
晴れの日が多いか、曇りが続くか——
太陽とどうつき合うかは、地域の空を見上げることから始まります。
その土地、その暮らしに合った「窓の設計」は、
性能と快適性、そして自然との調和をかなえる鍵となるのです。