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TOP性能ブログ省エネ時代でも「暗い家」はイヤ。 窓を小さくしすぎない“ちょうどいい採光計画”とは?【福岡・北九州の注文住宅】

省エネ時代でも「暗い家」はイヤ。 窓を小さくしすぎない“ちょうどいい採光計画”とは?【福岡・北九州の注文住宅】

こんにちは。

福岡のビオハウジング、健康オタクの住宅設計士 竹森哲也です。


「断熱を優先したら、なんだか昼間が暗い家に…」

ある福岡のご家族から、こんなお話を聞きました。

「ZEH仕様で断熱性能はバッチリと言われたんですが、

昼間なのにリビングの電気をつけている時間が長くて…。

もう少し“明るい家”にしたかったかも」

最近の 高断熱・高気密の注文住宅 では、

どうしても「窓を小さく・少なく」する方向に話が進みがちです。

  • 冬の熱損失をおさえたい

  • 夏の暑さ・西日対策をしたい

  • 近隣からの視線や防犯も気になる

  • 福岡・北九州のような都市部では敷地が狭く、大きな窓を取りづらい

 

こうして「省エネ」と「プライバシー」を優先していくと、

気づけば “昼間の気持ちよさ” が二の次 にされてしまうことがあります。

今日は、国土交通省の調査や最新の研究結果を踏まえながら、

  • なぜ今、窓が小さくなっているのか

  • 人が本当に求めている「明るさ」とは何か

  • 断熱性能と採光をどう両立させるか

を、福岡・北九州の工務店としての視点で、やわらかく整理してみます。


1.最近の戸建て住宅で「窓が小さくなっている」理由

1-1.断熱性能アップと狭小地化

ここ十数年で、住宅の断熱性能(Ua値など)は大きく向上しました。

その一方で、

  • 住宅地の「狭小化・密集化」

  • 共働き世帯の増加(昼間は家に人が少ない)

といった社会状況の変化も重なり、

「とりあえず大きな窓をドーンとつける」

という時代ではなくなりました。

とくに都市部の注文住宅では、

  • 南側に十分な距離が取れない

  • 隣家が近く、視線が気になる

  • 日射は入るけれど、夏の暑さが怖い

などの理由から、窓面積を小さくする計画 が増えています。

1-2.換気は設備まかせ、窓は“明るさ専任”に

シックハウス対策以降、

24時間換気設備が義務化されました。

その結果、

  • 「換気」は機械設備が担当

  • 窓は「採光(明るさ)」専任

    → FIX窓(開かない窓)が増加

という流れが生まれました。

開口率(窓面積 ÷ 床面積) は以前より下がりがちですが、

アンケート調査では、今でも多くの方が

「日当たり・明るさ」

を重視していることが分かっています。


2.アンケートが教えてくれる「人が本当に求めている明るさ」

2-1.2010年 → 2019年で何が変わった?

国土交通省のインターネット調査では、

「住まいで重視すること」が年代ごとに聞かれています。

  • 2010年

    → 「採光・通気性」がトップ

  • 2019年

    → 1位は「広さ・間取り」

    → 2位に「日当たり」

    → 「換気」はそれほど重視されなくなっている

ここから読み取れるのは、

「空気の入れ替え」よりも、

「日当たり=明るさ」を求める気持ちは、今も強い

ということ。

別の2017年調査でも、

「居心地の良い場所」のイメージとして

『明るい』が上位 に来ています。

ただしその「明るさ」は、

  • 家じゅうまんべんなく明るい

というよりも、

必要な場所に、必要なだけ明るさがある

という方向に変わってきています。

2-2.日照・日射・採光は同じではない

注意したいのは、

  • 日照:太陽が当たること

  • 日射:熱としてのエネルギー

  • 採光:明るさとしての光

は、似ているようで役割が違う、という点です。

日照・日射を取り込みすぎると、

  • まぶしさ(グレア)

  • 夏のオーバーヒート(冷房の効きが悪くなる)

につながります。

つまり、省エネ時代の窓計画は、

「とにかく南に大きな窓」ではなく、

日照・日射・採光を分けて考え、

必要な場所に必要な光を届ける設計

にシフトしていく必要があります。


3.建築基準法が緩和されても、「最低限の窓」でいいわけじゃない

3-1.開口率 1/7 → 1/10 でもOKに

これまで、住宅の居室は

窓の面積(合計) ÷ 床面積 ≧ 1/7

が原則でした。

2023年4月の改正で、

  • 床面照度50lx以上の照明設備をつければ

  • 1/10以上でも可

と緩和されました。

もともとは、

  • オフィスやホテルなど、

    日当たり条件が厳しい建物を

    住宅に用途変更しやすくするため

の措置ですが、

戸建て住宅にも適用できてしまいます。

3-2.「最低基準=目標値」になってしまう危険

海外でも、

「居室の開口率は最低1/10」

という基準が多いのですが、

設計者がその“最低限”を、

そのまま 最大目標 にしてしまう

という指摘もあります。

本来、法律の意図は、

  • 立地条件に合わせて計画の自由度を上げる

  • 「小さい窓を推奨」しているわけではない

というところ。

図面上の数字だけ追いかけると、

実際に暮らしたときの気持ちよさが抜け落ちてしまう。

ここが、これからの注文住宅で

いちばん注意したいポイントです。


4.窓の本質的な役割は「外の世界とのつながり」

4-1.窓の機能は「通す」と「遮る」のせめぎ合い

窓には、たくさんの役割があります。

通したいもの

  • 光(採光・日照)

  • 景色・視線(眺望・開放感)

  • 風・音(鳥の声、雨の音など)

  • 冬の日射(暖房の助け)

  • 換気・通風・水蒸気

  • 避難や救助の経路(人が通れる大きさ)

遮りたいもの

  • まぶしさ・紫外線

  • 外からの視線(プライバシー)

  • 車の騒音・生活音

  • 夏の日射・断熱性能への悪影響

  • 強風・花粉・黄砂・PM2.5

  • 雨・台風・飛来物・防犯

これらを

「どのくらい通して、どのくらい遮るか」

調整するのが、窓計画の仕事です。

福岡・北九州のように、

  • 夏の暑さ・湿度

  • 黄砂・花粉

  • 台風

が気になる地域では、

なおさらバランスが難しくなります。

4-2.なぜ人は窓を求めるのか? 飛行機の例から

論文の中で面白い例が紹介されていました。

飛行機の外壁は、本来なら窓がないほうが

安全で、構造的にも経済的です。

それでも、私たちは窓から外を見たい。

雲の上の光、地上の街の灯りを見ていると、

なんとなく 安心感や幸福感 を感じますよね。

この「外の世界とのつながり」は、

自宅の窓でも同じです。

  • 天気の変化が分かる

  • 風で木が揺れるのが見える

  • 子どもが庭で遊ぶ姿が見える

こうした視覚情報が、

心と自律神経を落ち着かせる 働きをしてくれます。

ビオハウジングでは、

  • 無垢材(天然木)の床

  • 漆喰や自然素材の塗り壁

  • シンプルな窓まわり

といった 自然素材の家 に、やわらかな自然光を合わせることで、

  • 室内空気の重さを感じにくい

  • 花粉やカビに配慮しつつも

  • 「外とつながっている感覚」を残す

そんな健康住宅を目指しています。


5.まとめ――数字だけでなく、「暮らしの明るさ」を基準に

省エネ基準や建築基準法が変わり、

窓を小さくすることは、以前より“簡単に”できるようになりました。

一方で、アンケート調査や研究結果を見ていくと、

  • 人は今も 日当たり・明るさ を強く求めている

  • 満足度を決めるのは、

    窓の大きさ・高さ・外の変化が見えること

  • 家じゅう均一な明るさより、

    必要な場所に必要なだけの明るさ

といった“人の感覚”がはっきり見えてきます。

福岡・北九州で注文住宅を建てるとき、

Ua値やC値(家のすき間の少なさ)の数字と同じくらい、

「この窓から、どんな光が入り、

どんな景色や季節の変化が見えるだろう?」

と、未来の暮らしのワンシーン を一緒にイメージしていただけたら嬉しいです。

ビオハウジングでは、

  • 断熱性能

  • 自然素材(無垢材・漆喰など)

  • 室内空気(シックハウス・花粉・カビへの配慮)

  • そして「光と視線の設計」

をひとまとめにして考えながら、

お一人お一人のライフスタイルに合った窓計画をお手伝いしています。


注記

本記事は、建築研究所 環境研究グループ長 三木 保弘 氏が

デュポン・スタイロ株式会社の技術資料「Heat & Environment」に寄稿した

窓の採光計画に関する論文内容を参考に、

福岡・北九州の注文住宅・工務店としての視点から再構成したものです。


参考文献(シンプル表記)

  • 三木 保弘:建築研究所 環境研究グループ長

    デュポン・スタイロ株式会社 技術資料「Heat & Environment」2025 AUTUMN 掲載論文(窓の採光計画に関する報告)

 

Q1. 省エネのために窓を小さくしても大丈夫ですか?

A. 法的には開口率1/10まで認められるようになりましたが、「最低限の基準=ちょうどいい明るさ」ではありません。調査結果では、窓面積が増えるほど自然光への満足度は高くなる傾向があり、必要な場所に十分な光が届いているかどうかが大切です。断熱性能と窓面積の両方を見ながらバランスを取ることをおすすめします。

Q2. 部屋の一部が暗くても、採光としては問題ないですか?

A. 室内に多少暗い部分があっても、極端な明暗差さえなければ、多くの人は採光に満足しています。家じゅうを均一に明るくする必要はなく、くつろぐ場所・作業する場所にしっかり光が届いていれば、心理的な満足度は十分に高くなります。

Q3. 北側の窓や高窓は本当に役に立つのでしょうか?

A. はい。北側の窓は直射日光が少ない分、まぶしさや夏の暑さを抑えながら、安定した明るさを届けてくれます。また高窓や天窓は、周囲の建物の影響を受けにくく、室の奥まで光を届けるのに有効です。プライバシーを確保しつつ、空の変化を感じられる点でもおすすめです。

Q4. 廊下や洗面所など、窓を取りづらい場所を明るくする方法はありますか?

A. 隣接する明るい部屋から欄間ガラスで光を分ける、吹き抜けや階段室を通じて導光するなどの方法があります。また、床・壁・天井の反射率を高める仕上げにすると、少ない光でも空間全体の明るさを確保しやすくなります。LED照明も点ではなく分散配置にすると、昼光と違和感の少ない明るさになります。

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