福岡・北九州で窓の結露がひどい?性能不足側の結露と窓リフォームの考え方
窓と断熱のせいで結露していませんか?——「性能不足側」の結露と、リフォームで失敗しないための考え方

こんにちは!福岡のビオハウジングで住宅設計をしている、健康オタクの竹森哲也です。
結露シリーズの第3回は、**「室内干しや加湿器をそんなに使っていないのに結露する家」**のお話です。
OBさんやご相談の中でも、こんな声がよくあります。
「加湿器もあまり使っていないのに、北側の窓だけ毎朝びしょびしょなんです…」
「リビングより、階段や廊下の窓のほうが結露がひどい」
こういうケースは、暮らし方よりも**「家の側の性能」**が原因になっていることが多いです。
今回は、いわば**「性能不足側の結露」**について:
- どんなパターンで起きやすいのか
- どこを直せば効き目が大きいのか
- リフォームで失敗しないための見方
をまとめてみます。
1. 「加湿していないのに結露する家」の典型パターン
まずは、現場でよく見るパターンから整理します。
1-1. 古いアルミサッシと単板ガラスの家
とくに多いのが、こんな組み合わせです:
❌ アルミサッシ+単板ガラス(1枚ガラス)
❌ もしくは古いペアガラスだけど枠はアルミのまま
❌ 北側の窓や、階段・廊下・洗面所の窓で結露がひどい
室内ではほとんど加湿器を使っていないのに:
💧 朝になると窓の下がびしょびしょ
🦠 サッシの角に黒いカビ
🪵 木の枠が少しずつ痛んでくる
といった症状が出ます。
1-2. 玄関・階段・トイレ・北側個室の”ヒヤッとゾーン”
リビングは暖かくて快適なのに:
🚪 玄関ホール
🪜 階段室
🚽 トイレ・洗面
🛏️ 北側の個室
など、**「ちょっとヒヤッとする場所」**の窓や壁で結露していることも多いです。
ここで大事なのは:
「暮らし方が悪いから結露している」のではなく、「そもそもそこが冷えすぎている」
という視点です。
2. 結露を「湿度」ではなく「温度差」で見てみる
第1回でもお伝えしたように、結露は:
「空気の露点温度」>「窓や壁の表面温度」
になったときに起きます。
2-1. そんなに湿度が高くなくても結露する理由
たとえば、室温20℃・湿度50%くらいだとします。
このとき、露点温度(結露が始まる温度)はざっくり9〜10℃前後です。
✅ 高性能な窓で、ガラス表面が15℃前後ある家
→ 露点(9〜10℃)より高いので、ほとんど結露しない
❌ 古いアルミサッシで、窓の端部が5〜8℃まで冷えている家
→ 露点(9〜10℃)より低くなり、普通の湿度でも結露する
つまり:
「湿度が高くないのに結露する」家は、”湿度のせい”というより”窓や壁の温度のせい”
ということが多いのです。
3. 性能不足側で起こる3つの結露パターン
「性能不足側の結露」は、大きく3つに分けて考えると分かりやすくなります。
3-1. パターン①:窓そのものの性能不足
いちばん分かりやすいのが、窓の断熱性能が足りないケースです。
❌ アルミサッシ+単板ガラス
❌ 古いペアガラスで、ガラスの間に空気層はあるけれど、枠はアルミ
❌ 枠まわりのパッキンが痩せて、すき間風も少し入っている
こういった窓は、外の冷気がダイレクトに伝わる構造になっているため:
❄️ 外気温が下がるほど
❄️ ガラス・サッシの表面温度もぐっと下がり
❄️ 露点をあっさり下回ってしまいます
3-2. パターン②:熱橋(ヒートブリッジ)による”線状の冷え”
2つ目は、**熱橋(ヒートブリッジ)**と呼ばれる現象です。
🏗️ 柱や梁、鉄骨、コンクリートの梁・基礎など
🧱 断熱材の”スキマ”になっている部分
こういった場所が、「冷えやすい道」=熱の逃げ道になり:
📍 壁の一部にだけ結露やカビの筋が出る
📍 天井と壁の取り合い部分だけ黒ずむ
など、「線」や「点」で症状が出るのが特徴です。
3-3. パターン③:断熱欠損・すき間風・気流止めの不良
3つ目は、施工段階での:
⚠️ 断熱材の入れ忘れ・ヘタり
⚠️ 配線・配管まわりのすき間
⚠️ 床下・壁の中の「気流止め」が不十分
といったところから、冷たい空気が家の中にしみ出してくるパターンです。
🦶 足もとだけ妙に冷たい
🏛️ 柱1本だけ、いつもヒヤッとする
🛋️ 家具をどかすと、その裏だけカビている
など、「あれ?ここだけおかしいな」という場所に結露が出ます。
4. 性能不足側の結露を減らすための優先順位
では、こういった「家の側の結露」に対して、何から手をつければいいでしょうか。
4-1. 優先順位①:まずは「窓」を疑う
結露の現場をたくさん見ていると:
「とりあえず窓をいじるのが、いちばん効果が出やすい」
という実感があります。
具体的には:
✅ 単板ガラス → Low-E 複層ガラスへの交換
✅ もしくは、今の窓の内側に**”内窓”をつける(2重窓)**
✅ ひどい箇所だけでも、アルミ枠→樹脂枠への交換を検討
こうすることで、ガラス面の表面温度が一気に底上げされます。
とくに:
🪟 北側
🪜 階段・廊下
🚽 トイレ・洗面
といった**「冷えやすい窓」から優先して手を入れる**と、朝の景色がかなり変わることが多いです。
4-2. 優先順位②:熱橋(ヒートブリッジ)と断熱欠損のケア
窓の問題と合わせて見ておきたいのが:
📍 天井と壁の取り合い
📍 柱・梁まわり
📍 基礎立ち上がり付近
📍 配線・配管まわり
といった**「筋状・点状に冷えている場所」**です。
チェック方法:
✅ サーモカメラ(赤外線)を使う
✅ もしくは、手のひらで触って「ここだけ冷たい」を探す
などして、冷えやすいラインを見つけていきます。
そのうえで:
🔧 断熱材の追加・補修
🔧 気流止めのやり直し
🔧 必要に応じて、内側からの断熱改修
といった手当てをしていくのが理想です。
4-3. 優先順位③:暖房と換気の”クセ”も合わせて見直す
性能不足側の結露でも、暖房のしかたや換気のクセが影響していることがあります。
❌ 「リビングだけ」短時間ガッと暖めていつも OFF
→ その他の部屋や廊下・階段の表面はずっと冷えたまま
❌ 給気口からの冷たい空気が、いつも同じ窓に当たっている
→ その窓だけ異常に冷えて結露
こういう場合は:
✅ 暖房を弱く長くつける方向に変える
✅ 給気口の位置や向きを調整する
✅ リビングと廊下・階段をできるだけ”温度差を小さく”運用する
といった工夫で、「冷えすぎる場所」そのものを減らしていくことが大切です。
5. 窓・断熱リフォームで失敗しないためのポイント
性能不足側の結露を減らすには、リフォームのタイミングが一つのチャンスになります。
5-1. 「窓だけ」「壁だけ」になりすぎない
たとえば:
❌ 壁の断熱だけ厚くしたのに、窓はそのまま
❌ 逆に、窓だけ高性能にして、壁や天井は古いまま
というバランスだと:
⚠️ 冷え方のムラが大きくなる
⚠️ 内部結露のリスクが出るところもあります
(内部結露の話は、第4回でじっくり書きます)
大事なのは:
「どこが一番冷えているのか」「どこまでを今回の工事で触るのか」
を、セットで考えることです。
5-2. 見積もりのときに、必ずチェックしてほしい3つ
窓や断熱のリフォームの見積もりを見るときは:
①窓
✅ ガラスの種類(Low-E かどうか)
✅ ガラスの構成(複層/トリプルなど)
✅ サッシの材質(アルミ/樹脂/アルミ樹脂複合)
②断熱
✅ どこに、どの種類の断熱材を、どの厚みで入れるのか
✅ 既存の断熱材はどう扱うのか
✅ 気流止め・防湿の考え方はどうなっているか
ここだけは、「なんとなくお任せ」で流さずに確認しておきたい部分です。
6. 今日からできる「性能チェック」3つの簡単な方法
最後に、リフォーム前でも今日からできるチェックポイントを3つ挙げておきます。
6-1. 手のひらサーモグラフィー
難しい道具がなくても:
✋ 窓ガラスの中央
✋ 窓の四隅・サッシの角
✋ 壁の中央
✋ 天井と壁の取り合い
を手のひらで触り比べるだけでも、かなりの違いが分かります。
「ここだけやたら冷たい」という場所は、結露予備軍です。
6-2. 結露とカビの”ライン”を観察する
📝 毎朝、どの窓がどのくらい結露しているか
📝 カビが出ている場所はどこか
📝 北側・東側・南側・西側で違いがあるか
などを、少しだけ意識して見てみると:
「窓の性能の問題なのか」「壁や天井の熱橋なのか」
の切り分けのヒントになります。
6-3. 簡単な「結露日記」をつけてみる
📔 外の天気・気温(ざっくりでOK)
📔 室温・湿度(1〜2ヶ所でOK)
📔 結露の程度(○・△・× くらい)
を、1〜2週間だけでもメモしてみると:
「どんな条件のときに、どこの窓が結露しやすいか」
が見えてきます。
これはそのまま、リフォーム相談のときの資料にもなります。
7. まとめ:「性能不足の結露」は、暮らしではなく”家の責任”の部分も大きい
今回のお話を、改めて整理しておきます。
✅ 「加湿していないのに結露する」家は、多くの場合、窓や断熱・熱橋といった”性能側”が原因
✅ 結露は「湿度」だけでなく、窓や壁の表面温度がどれだけ低いかで決まる
✅ 特に:
- 古いアルミサッシ
- 単板ガラス
- 熱橋(ヒートブリッジ)
- 断熱欠損・すき間風
があると、普通の湿度でも結露しやすい
✅ 解決の優先順位は:
- 一番ひどい窓から、性能アップ(内窓・窓交換)
- 熱橋と断熱欠損の補修
- 暖房と換気のクセの見直し
「結露している=住み方が悪い」ではなく、「結露しやすい器になってしまっている」
という受け止め方をすると、リフォームや家づくりの方向性も、ぐっと見えやすくなります。
ビオハウジングでは、福岡・北九州の気候と敷地条件を踏まえながら:
🏡 どこまでを家の性能で受け止めるか
🏡 どこから先を暮らし方の工夫でカバーするか
を、一緒に整理していくお手伝いをしています。
次回(第4回)は、壁の中などで起こる**「内部結露」**と、リフォーム計画時の注意点について、お話ししていきます。