石油ストーブ・ファンヒーターって、実は最近の家では要注意なんです

こんにちは！福岡のビオハウジングで住宅設計をしている竹森哲也です。健康オタクでもあります（笑）

冬になると「やっぱり石油暖房って最高！」って思いますよね。スイッチ入れたらすぐポカポカになるし、あの温まり方は格別です。私もその気持ち、めちゃくちゃわかります。

でも実は、最近の「すき間が少ない家（高気密住宅）」では、石油暖房の危険性がグッと高まるんです。

昔の家は寒かったけど、どこかしらのすき間から勝手に空気が入れ替わってました。でも今の高気密な家は、良くも悪くも「空気がほとんど動かない」。ここがポイントなんです。

なんで高気密だと危ないの？

石油ストーブやファンヒーターは、お部屋の中の酸素を使って燃えるタイプです。燃えるときに二酸化炭素（CO₂）と水蒸気が出るんですが、空気の状態や使い方が悪いと「不完全燃焼」を起こして、**一酸化炭素（CO）**っていう有毒ガスが発生することがあります。

このCOがとにかく厄介で、色もない、においもない。だから「なんか変なにおいがするな」って気づけないんです。

高気密の家って、窓を閉めっぱなしでも暖かさがキープできて快適ですよね。でもこれが逆に「換気しなくても大丈夫そう」って錯覚を生みやすいんです。

そうすると…

• 少しずつ酸素が減って
• 少しずつ燃え方がおかしくなって
• 少しずつCOが増えていく

気づかないうちに、危険な状態になってしまうんです。

しかも、最初の症状がすごく日常的なんですよ。

• 「なんか眠いな〜」
• 「頭が重い」
• 「子どもの機嫌が悪い」
• 「なんか風邪っぽい」

家族の体調不良が、実は暖房の使い方のせいだった…なんてこと、意外とあるんです。

もう一つの落とし穴：湿気とカビ問題

石油を燃やすと、けっこうな量の水蒸気が出ます。

最近の高断熱・高気密の家は、冷たい場所が少なくて結露しにくい設計になってるんですが、それでも石油暖房を使いすぎると湿度がグングン上がっちゃって、窓まわりや押入れ、北側の部屋で結露やカビが発生することがあります。

こんなサインが出てたら要注意です：

• 「部屋は暖かいのに、空気が重たい感じがする」
• 「朝起きたら窓がびっしょり濡れてる」

これ、燃焼系暖房の使い方を見直すサインかもしれません。

火災・給油事故も、油断が一番怖い

石油暖房は火が見えるから「ちゃんと注意してるつもり」になりやすいんですが、実は：

• 洗濯物を近くに干す
• 紙や雑誌が寄ってる
• 子どもが触っちゃう
• 給油のときにこぼす

こういう**”生活のうっかり”**が、火災に直結するんです。

高気密の家は暖かいから、つい暖房器具の近くで色々やっちゃうんですよね。 「ちょっとここで服を乾かそう」 「ちょっとここで温まろう」

この**”ちょっと”が事故の入口**になりやすいんです。

現実的な対策（無理なく続けられる方法）

対策って、精神論じゃなくて**「仕組み化」**が大事です！

①使う機器を見直す できれば、室内の空気を使わないタイプ（給気・排気が屋外で完結する方式）を選ぶと、リスクがグッと下がります。

②CO警報器をつける COは体で感じられないから、「気づけない危険」を機械でカバーします。火災報知器とは別物なので、これも必要です。

③換気のルールを家族で決める 「今日は寒いからいいか〜」をなくすために：

• 運転中は換気を絶対止めない
• ○分おきに短時間の換気をする みたいに、家族みんなで同じルールにしちゃうのが一番強いです。

④寝室・寝てるときは使わない 寝てる間は異変に気づけません。ここはシンプルに**「使わない」ってルール化**が効きます。

実際にあったケース①：新築なのに家族がだるい…

新しい家で暖かいはずなのに、冬になると朝に頭痛やだるさが出る。子どもも機嫌が悪くて、ずっと風邪っぽい。

よく聞いてみたら、夜に石油ファンヒーターを使ってて、寒いから換気をほとんどしてなかった…というパターン。

これ、「体質のせい」じゃなくて**「空気の質」が原因**だったりするんです。 機器の見直し＋CO警報器＋換気ルールの徹底で、スッキリ改善することが多いですよ。

実際にあったケース②：脱衣室をちょっと温めるつもりが…

お風呂の前後、脱衣室が寒い。石油ストーブを「ちょっとだけ」つける。

でも、家事してるうちに消し忘れて、気づいたら30分〜1時間…。換気はゼロ。

こういう生活の流れ、誰にでも起こりますよね。

脱衣室って狭くて空気の量が少ないから、影響がすごく早く出るんです。 この場合は、石油で頑張るより脱衣室の断熱を見直して、電気系の安全な暖房にする方が、心も運用もラクになりますよ。

まとめ：高気密の家ほど「性能＋使い方」がセットです

高気密・高断熱の家って、正しく使えば本当に快適で健康的です。

でも、石油ストーブやファンヒーターみたいな**”室内で燃やすタイプ”**は、家の性能が上がるほど、ミスしたときに空気が逃げなくて、影響がモロに出ちゃうんです。

だからこそ： ✅ 機器の選び方（できれば方式変更） ✅ CO警報器 ✅ 換気の固定ルール

この3つで、“うっかり”を事故にしない仕組みを作っておくのが、一番の安全策です！