福岡・北九州の高断熱住宅で結露?室内干しと加湿器との付き合い方を工務店が解説
高断熱の家なのに窓がびっしょり?——室内干しと加湿器で起きる結露の本当の理由
こんにちは、福岡のビオハウジングで住宅設計をしている、健康オタクの竹森哲也です。
福岡・北九州でも「冬は洗濯物が乾かないから、室内干し」と「乾燥がつらいから、加湿器」が当たり前になってきました。
そんな中で、相談の中でもよく出てくる声がこれです。
「高断熱で暖かい家にしたのに、冬の朝は窓がびしょびしょなんです…」
前回(第1回)では、結露の原因は「湿度」×「表面温度」というお話をしました。
今回は、その中でも室内干しと加湿器に絞って、
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なぜ、良かれと思っている暮らし方が結露を招くのか
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それでも「住み方のせい」にしないために、どう調整していくか
を整理してみます。
1. 冬になると「高断熱の家+室内干し」で何が起きている?

1-1. 高断熱・高気密=“暖かさ”だけでなく“こもりやすさ”もアップ
福岡・北九州で HEAT20 G2 クラスくらいの高断熱住宅になると、
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エアコン1〜2台で家全体がかなり暖かい
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壁や天井・床も冷えにくい
というメリットがあります。
一方で、同時にこんな特徴も出てきます。
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すき間風がほとんどない
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外気との入れ替わりが**ほぼ「換気設備頼み」**になる
つまり、**“外に逃げていくはずだった水蒸気も、家の中にとどまりやすくなる”**んですね。
1-2. そこに「室内干し」と「加湿器」が乗っかると…
冬の1日をイメージしてみます。
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朝:洗濯物をリビングに室内干し
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日中:エアコンで暖房しながら、加湿器も ON
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夜:家族が帰ってきて、お風呂・夕食・炊飯
この1日の間に、
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洗濯物から
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お風呂の湯気から
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料理の湯気から
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人の呼吸や汗から
かなりの量の水蒸気が、少しずつ室内に足されていきます。
高断熱・高気密の家は、その水蒸気もしっかり抱え込んでしまうので、
露点温度(結露が始まる温度)がじわじわ上がっていくわけです。
2. 室内干し・加湿器が「結露のスイッチ」を入れるしくみ
ここで、第1回のポイントをもう一度だけ。
結露は
「空気の露点温度」 > 「窓や壁の表面温度」
になったときに起きる
という現象でした。
2-1. 室内干しがやっていること
洗濯物を1回室内干しすると、
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小型の加湿器を
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何時間もつけっぱなしにしているのと同じ
くらいの水蒸気が出ます。
特に、
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リビングの一角に集中して干す
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窓際やカーテンレールにかける
と、その周辺の空気だけ、局所的に“超しっとり”状態になります。
→ 露点温度がぐっと上がり、
→ 近くにある「一番冷たい面」=窓ガラスやサッシに、結露として現れます。
2-2. 加湿器が「とどめの一押し」になることも
乾燥対策として、
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「喉が痛いから」
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「子どもが風邪をひきやすいから」
と加湿器を使うのは、決して悪いことではありません。
ただし、
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室内干し+加湿器
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+お風呂・料理・人数
が重なると、露点温度が思った以上に高くなっていることが多いです。
「湿度60%くらいなら大丈夫でしょ?」
と思っていても、
窓の端部が予想以上に冷えていれば、結露は普通に起きます。
3. それでも「住み方のせい」にしたくない理由
ここまで読むと、
「じゃあ、室内干しも加湿器もやめればいいの?」
という話になりそうですが、
ビオハウジングとしては、そこに大きな違和感があります。
3-1. 湿度は「人の健康」ともつながっている
湿度が低すぎると、
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喉や鼻の粘膜が乾く
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肌荒れ・かゆみ
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静電気バチバチ
小さなお子さんや高齢の方は、
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風邪・インフルエンザにかかりやすくなる
「結露がイヤだから」といって、
乾燥しすぎた状態を“正解”にしてしまうのも、
それはそれで不自然
だと感じています。
3-2. 「我慢で解決する家」より「受け止めてくれる器」を
家は、暮らしやすさを支えてくれる器であってほしい。
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洗濯物を室内干ししないと生活が回らない
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子どもの体調を考えると、多少の加湿は必要
そういう“当たり前の暮らし”を、
できるだけ受け止めてくれる家をつくりたい。
だからビオハウジングでは、
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住み方をちょっと工夫してもらいながら
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それでも足りない部分は、家の側の性能や設計で支える
というスタンスを大事にしています。
4. 室内干し&加湿器と付き合うための「3ステップ調整」
ここからは具体的に、
「室内干しも加湿器もやめない前提で、
どう調整していくか?」
を3ステップで整理します。
ステップ①:発生——“水蒸気の盛りすぎ”をちょっと整える
4-1-1. 室内干しの「量・場所・タイミング」を見直す
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一度に全部をリビングに干さない
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→ 分割して干す
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→ 浴室乾燥・個室と分散する
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窓際・カーテンレールはできるだけ避ける
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窓近くは「一番冷たい場所」だから
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エアコンの吹き出しや、空気の流れがある場所をうまく使う
ポイント:
「室内干しをやめる」のではなく、
「結露しやすい場所の“直上”にガンガン干さない」
という方向で調整していきます。
4-1-2. 加湿器の「目的」と「設定」をハッキリさせる
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何となく“乾燥が怖いから”で、いつも MAX 運転になっていないか
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温湿度計を見ながら、
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**“喉と肌の調子がいい範囲”**と
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“窓がビショビショにならない範囲”
の両方を探す
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最初の数週間は、
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「湿度○%」という数字より
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「この設定だと、朝の窓はどのくらい濡れているか?」
を観察して、“自分の家のバランス”をつかんでいく期間だと考えてもらえると良いです。
ステップ②:排出——換気と除湿で「出口」をしっかり確保
4-2-1. 24時間換気は“回ってナンボ”
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常時換気の風量設定が弱すぎないか
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フィルターが目詰まりしていないか
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給気口・排気口の位置関係が、
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部屋を1周せずにすぐショートしていないか
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特に、
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室内干しをしている部屋
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加湿器を使っている部屋
では、**“その部屋の空気がきちんと流れに乗っているか”**を確認したいところです。
4-2-2. 場合によっては「除湿機」や「エアコン除湿」も味方に
冬場に「冷房除湿」は寒すぎますが、
機種によっては弱い除湿モードが使えることもあります。
また、
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洗濯物の近くに小型の除湿機を置く
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浴室は「ドアを閉めて換気扇+少し暖房」
など、**“発生源のそばで水蒸気をキャッチする”**イメージも有効です。
ステップ③:表面温度——“一番つらい窓”から性能アップ
最後は、家づくり側が一番頑張れるところです。
4-3-1. 「一番ひどい窓」にターゲットを絞る
まずは、
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毎朝びしょびしょになる窓
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サッシまわりがカビやすい窓
を1〜2箇所ピックアップ。
そこに対して、
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内窓をつけて、ガラス面の温度を底上げする
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窓まわりの断熱・気流止めを点検する
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カーテンで冷気を閉じ込めすぎず、
足元に空気の通り道をつくる
といった手当てをしていきます。
4-3-2. 暖房の“つけ方”でも表面温度は変わる
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短時間だけ強く暖めて、あとは OFF
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→ 家全体の表面は冷えがち
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エアコンを弱く長くつけ続ける
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→ 壁・床・天井の温度もじわっと上がる
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後者のほうが、
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窓やサッシまわりの表面温度も上がりやすく
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結露しにくい状態を作りやすくなります。
「電気代が心配」という方も多いですが、
高断熱住宅では“弱くつけっぱなし”のほうが電気代が安くなるケースもよくあります。
(このあたりはまた別の記事でじっくり書きますね。)
5. 今日から試してほしい「室内干し&加湿器」3つのコツ
最後に、すぐできる実践のまとめです。
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温湿度計を2つ置く
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室内干しの近くと、それ以外の場所
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「どこで、どれくらい湿度が上がっているか」を見える化
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“窓の直上”には干さない・置かない
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カーテンレール干しはできるだけ避ける
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加湿器も窓から距離をとる
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一番つらい窓だけでも、性能アップを検討する
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内窓・窓交換・枠周りの断熱補強
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「この1枚が変わるだけで、朝の景色が変わる」ことも多いです
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6. まとめ:「結露しない家」ではなく、「結露と上手に付き合える家」へ
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室内干しも加湿器も、現代の暮らしにはほぼ必須になっています。
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高断熱・高気密の家は、その水蒸気も抱え込むため、「露点温度」が上がりやすくなります。
だからこそ、
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発生(盛りすぎない)
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排出(換気・除湿で抜く)
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表面温度(窓性能・暖房の仕方)
の3つを組み合わせて、**“我慢ではない調整”**をしていくことが大切です。
ビオハウジングでは、
「家は器。その器の中で、人と洗濯物と空気が、気持ちよく共存できるように。」
という視点で、福岡・北九州の気候に合った結露対策をご提案しています。
次回は、**「室内干し&加湿器」だけでは説明できない、性能不足側の結露(窓・断熱・熱橋)」**についてお話しする予定です。
https://biohousing.jp/spec_blog/condensation-cause-solution/