SPEC BLOG

性能ブログ

TOP性能ブログ基礎断熱、床断熱どちらが良い? 福岡・北九州の気候で考える「足元のあたたかさ」と「湿気・シロアリ」の話

基礎断熱、床断熱どちらが良い? 福岡・北九州の気候で考える「足元のあたたかさ」と「湿気・シロアリ」の話

こんにちは。

福岡のビオハウジング、健康オタクの住宅設計士・竹森哲也です。

「基礎断熱と床断熱、どっちが良いんですか?」

福岡・北九州で注文住宅をご相談いただくと、かなりの確率で聞かれる質問です。

今日は、健康住宅自然素材の家という視点から、やわらかく整理してみます。


1. まずは「失敗談」から:冬の朝、足だけがずっと冷たい家

まだ僕が修業時代、床断熱の家に住んでいたお客様から、こんな声をいただきました。

  • 室温は20℃あるのに、なぜか「ずっと足だけ冷たい」

  • キッチンに立っていると、じわじわ冷えが上がってくる

  • 床下からのすきま風なのか、たまにヒヤッとした空気を感じる

エアコンを強めても、ストーブを追加しても、なぜか足元の体感温度が上がらない。

当時の僕は「断熱材は入っているのに、なんでだろう…?」とモヤモヤしていました。

なぜうまくいかなかったのか?

あとから振り返ると、原因は単純でした。

  • **床のすぐ下が「外扱い」**になっていて、冬は冷蔵庫のように冷え切る

  • 床と基礎の取り合いに、細かなすき間が残りやすい

  • 床下に冷たい空気が入り込み、冷気がじわじわ床を冷やす

つまり、**「断熱材があるかどうか」ではなく、「どこを室内とみなすか」**の問題だったんですね。

ここから、僕自身の中で

「床だけを守る」床断熱

よりも

「基礎ごと、家まるごと包む」基礎断熱

という考え方が強くなっていきました。


2. 基礎断熱と床断熱のちがいをシンプルに

■ 床断熱とは?

  • イメージ:基礎は外、床のラインで「内と外」を分ける

  • やり方:1階の床の下(根太の間など)に断熱材を入れる

メリット

  • 昔からのやり方で、工務店にとっては慣れている

  • 基礎の外側が露出しているので、シロアリの点検がしやすい

  • 基礎の内側に断熱材がないため、素材の選択がシンプル

デメリット

  • 床下は冬にとても冷えやすく、足元に冷えが伝わりやすい

  • 床下換気口から湿気や外気が入りやすく、カビ・ダニ・アレルギーのリスクも

  • 床周りの**気密(C値:家のすき間の少なさ)**を高めるのが難しい

床は冷たいけれど、空気だけ温めている状態になりやすい、というイメージです。


■ 基礎断熱とは?

  • イメージ:基礎ごと「室内」として包み込む

  • やり方:基礎の立ち上がりやスラブの外側・内側に断熱材を連続して設ける

メリット

  • 基礎から床までが一体であたたかい

    → 無垢材(天然木)の床を素足で歩いても、ヒヤッとしにくい

  • 1階の床下も室内と同じ環境に近くなり、空気環境・室内空気を整えやすい

  • 基礎→壁→屋根へと、断熱ラインを切れ目なく連続させやすい

    → UA値(外へ逃げる熱の少なさ)が良くなりやすい

  • 将来、配管や設備スペースとして活用しやすい

デメリット・注意点

  • シロアリ対策をしっかり設計・施工できる工務店でないと危険

  • 断熱材と基礎の取り合いの基礎パッキン・防蟻処理など、細かい納まりの経験値が必要

  • 間違った施工をすると、湿気やカビがこもるリスクもある

「基礎断熱=絶対正解」ではなく、

**「基礎断熱をきちんと扱える工務店かどうか」**がポイントになります。


3. 福岡・北九州の気候で考えると…?

福岡・北九州は、

  • 夏:湿度が高く、蒸し暑い(カビが喜ぶ環境)

  • 冬:そこまで厳寒ではないが、足元の冷えを強く感じやすい

  • シロアリ:温暖・多湿ゆえに、活動しやすいエリア

という特徴があります。

■ 湿度とカビ・ダニの視点

床断熱で床下換気口から湿った空気が入り続けると…

  • 床下の木材にカビが生えやすい

  • カビをエサにダニが増え、アレルギーやにおいの原因に

  • 夏の夜、床付近の空気がジメッと重く感じることも

一方、基礎断熱+適切な換気計画であれば、

  • 基礎内の温度・湿度をコントロールしやすい

  • 室内干しの洗濯物のにおいも残りにくい

  • 子どもが床でゴロゴロしても、冷えとカビの不安が少ない

というメリットが期待できます。

■ ヒートショックと体感温度

福岡・北九州は、北海道ほどの厳寒ではない分、

  • 「まあこのくらいでいいか」と断熱を妥協しがち

  • その結果、お風呂やトイレが寒く、ヒートショック(急激な温度差による体への負担)のリスクが高まりやすい

基礎断熱でしっかり断熱ラインをつなげると、

  • 廊下・洗面・トイレの温度差が小さくなりやすい

  • お風呂上がりに「脱衣室だけ極端に寒い…」というストレスが減る

体感温度が上がる=数字以上に「楽になる」という暮らしの変化が起こります。


4. どちらが向いている?タイプ別チェック

■ 床断熱が向いているケース

  • 予算をなるべく抑えたい

  • 従来工法に慣れた工務店で建てる予定

  • 床下を人が出入りする前提があまりない

  • 海風などによる塩害エリアで、あえて床下をシンプルに保ちたい

■ 基礎断熱が向いているケース

  • 1階で過ごす時間が長く、足元の冷えをとにかく減らしたい

  • 将来的に全館空調や床下エアコンなどを組み合わせたい

  • 無垢材・漆喰・塗り壁などの自然素材の家で、

    空気環境・室内空気をじっくり整えたい

  • ヒートショックやアレルギーへの不安がある

  • 福岡・北九州の湿度やカビへの対策を重視したい


5. ビオハウジングの答え

「基礎断熱+自然素材+空気の設計」という考え方

ビオハウジングでは、福岡・北九州という湿度の高いエリアで、

長く安心して暮らせる健康住宅をめざして、

  • 基礎断熱をベース

  • 外壁はEPS外断熱+塗り壁などで、断熱ラインを連続

  • 室内は無垢材の床・漆喰や自然塗料で、においの少ない空気環境

  • 計画換気で、VOC(揮発性化学物質)やPM2.5、花粉、黄砂も考慮

という組み合わせを大切にしています。

■ なにより「暮らしの風景」が変わる

数字だけ見ると、UA値やC値で比較してしまいがちですが、

僕が大事にしたいのは、もっと日常のワンシーンです。

  • 冬の朝、子どもが裸足で無垢の床をトコトコ歩いてくる

    →「ママ、この床あったかいね」と笑う

  • 雨の日でも、リビングに洗濯物を室内干ししても

    → においがこもらず、さらっと乾いている

  • 夜、ソファから立ち上がっても、廊下やトイレがヒヤッとしない

基礎断熱は、その**「快適な当たり前」を支える土台**だと思っています。


6. まとめ:どちらが良い?の前に、大事な順番

最後に、とても大切だと思うことをひとつ。

「基礎断熱か床断熱か」

という“方法”を選ぶ前に、

「どんな暮らしの感覚を大切にしたいか?」

という“前提”を一緒に整理すること。

  • 足元の冷えをどこまで許せるか

  • ヒートショックやアレルギーへの不安はどれくらいか

  • 自然素材・無垢材の床を素足で楽しみたいか

  • 光・空気・温度のリズムをどう整えたいか

福岡・北九州で注文住宅を建てるなら、

工務店とこうした感覚のすり合わせをしたうえで、基礎断熱・床断熱を選んでいただけると安心です。

ビオハウジングでは、完成見学会やOB様宅への訪問など、

実際の空気感や足元の温度を体験していただきながら、

あなたのご家族に合う答えを一緒に探していきます。


FAQ(本文用 Q&A)

Q1. 基礎断熱の方が絶対に良いですか?

A. 絶対にどちらが正解、というものではありません。

福岡・北九州のように湿度が高く、足元の冷えやヒートショックを気にされる方には「基礎断熱+しっかりした防蟻・換気」の組み合わせが向いていることが多いです。ただ、予算や工務店の得意分野によっては床断熱を選ぶ方が良い場合もあります。

Q2. 基礎断熱はシロアリが心配と聞きました…

A. たしかに、配慮なしで施工するとリスクが高まります。

大切なのは、

  • 防蟻処理の範囲と方法

  • 断熱材の種類と配置

  • 点検可能なディテール

    をセットで設計できる工務店かどうかです。ビオハウジングでは、点検性を確保したうえで基礎断熱を採用しています。

Q3. 床断熱でも足元の冷えを減らす方法はありますか?

A. ありますが、限界もあります。

無垢材の床にする、ラグやスリッパで対策する、床下の気流止めを丁寧に行うなどでかなり改善します。ただし、床のすぐ下が「外扱い」であることは変わらないため、基礎断熱ほどの一体感のあるあたたかさを出すのは難しい、というのが正直なところです。

Q4. 全館空調を考えている場合は、どちらが相性が良いですか?

A. 多くの場合、基礎断熱との相性が良いです。

基礎から屋根まで断熱ラインをそろえたうえで全館空調を組み合わせると、少ないエネルギーで家全体をやさしく温度コントロールしやすくなります。床断熱でも不可能ではありませんが、計画がかなり難しくなる印象です。

INDEX