なぜセルロース断熱の家はこんなに静か?音のしくみと心の落ち着きの話|福岡・北九州の注文住宅
セルロース断熱が生む「不思議なくらい静かな家」
──外はゴーゴー雨なのに、リビングは不思議なくらい静か
こんにちは、福岡のビオハウジング
健康オタクの住宅設計士、竹森哲也です。
ある冬の夜、完成したばかりのセルロース断熱の家で、お引き渡し前の最終チェックをしていたときのこと。
外は、横殴りの風と強い雨。現場に向かう車の中ではワイパーがフル稼働でしたが、玄関ドアを閉めた瞬間──
- さっきまでの「バチバチ」「ゴォー」という音が、一気に遠のく
- 室内には、ほんの小さな「ザー…」という背景音だけが残る
お施主さまも一緒に中に入って、開口一番、
「あれ?雨、こんなに降ってました?」
と首をかしげていました。
この**「不思議なくらい静か」**な感じ。実は、セルロース断熱と、しっかりした気密(C値0.2)だからこそ生まれる静けさです。
前回は「熱容量」の話をしましたが、今回はその続編として、
セルロース=なぜこんなに静かな家になるのか?
を、できるだけやさしくお話してみます。

外がどれだけ騒がしくても、セルロース断熱の家のリビングには、やわらかな静けさが流れます。
1. そもそも「静けさ」はどこで決まるのか?
1-1. 音は「空気の振動」
音=空気の振動(波)のこと
その振動が
- すき間を通って
- 壁や床をふるわせて
- 耳まで届く
1-2. 家の中での「音の通り道」
静けさを決めるのは、ざっくり言うとこの3つです。
① すき間(C値)
→ 空気ごとスッと音が入る道
② 壁・床・天井の中身(密度と構成)
→ 音を跳ね返すか、吸い込むか
③ 室内の「響き」(残響時間)
→ 声や足音が、どれくらい残るか
「静かな家」にしたいなら、
- すき間を減らす(気密)
- 壁の中身を工夫する(断熱材・面材)
- 室内の仕上げを選ぶ(漆喰・木など)
という3つを、セットで考える必要があります。
2. セルロースと発泡系断熱材、「音の通り方」の違い
2-1. 発泡系断熱材は「軽くて、音も軽い」
発泡ウレタンやEPS(発泡スチロール)など、いわゆる発泡系断熱材は、
- 中身のほとんどが空気
- 軽くて、カサカサとした質感
という特徴があります。
断熱材としてはとても優秀ですが、音の面で見ると、
- 空気の振動が、材料の中を「スッ」と通りやすい
- 軽い素材は、高い音・カサカサした音が残りやすい
という傾向があります。
2-2. セルロースは「綿ふとん」のように、音をもみほぐす
一方、セルロースファイバーは、
- 細かい紙の繊維が、ぎゅっと詰まった「綿のかたまり」
- 密度も、発泡系よりずっと重い
この構造が、音に対してはとても都合がよくて、
空気の振動(音)が中に入る
→ 繊維同士がこすれあって
→ 振動エネルギーが、じわっと「熱」に変わる
ざっくり言うと、
- 発泡系:音がスッと通る「軽いスポンジ」
- セルロース:音をもみほぐす「綿ふとん」
みたいなイメージです。
その結果、
- 雨音や車の音が、「硬いカンカン音」から「遠くのザー…」という感じに変わる
- 室内の声も、壁で一度「丸く」なってから隣の部屋へ伝わる
という、体感的な静けさにつながります。
3. 「気密C値0.2 × セルロース」で何が起きているか?
ビオハウジングの家づくりでは、C値0.2クラスの気密を標準的に測定しています。
3-1. すき間がない=音のストローがない
C値が悪い家(すき間が多い家)
→ 音は「ストロー」を通るように、スッと入ってくる
C値0.2レベル
→ そのストローをほぼ全部ふさいだ状態
まずここで、音の**「直通ルート」**がかなりカットされます。
3-2. そこへセルロースが入ると…
モイス(面材)+セルロースファイバー+漆喰という構成は、音響的に見ると、
「重い層」+「柔らかい層」+「重い層」
が重なった「マス・スプリング・マス構造」に近くなります。
重い層(漆喰・石膏ボード・モイス)
→ 音を跳ね返す力が強い
柔らかい層(セルロース)
→ 音のエネルギーを、摩擦で吸収する
この組み合わせが、
外からの騒音
→ 一度跳ね返され、セルロースで減衰し、もう一度跳ね返される
室内の音
→ 壁の中で一度「クッション」によって丸くなる
という働きをしてくれて、
「静かすぎて怖い」ではなく、「落ち着いた静けさ」が手に入る
ところまで持っていってくれます。
4. 福岡・北九州で感じる「セルロースの静けさ」具体例
4-1. 福岡の幹線道路沿い・アパート暮らしとの違い
アパートや一般的な住宅でよくあるお悩み:
- 夜、車の走行音・バイクの音で目が覚める
- 信号待ちのトラックのアイドリング音が気になる
- 雨音・風の音で、子どもが落ち着かない
セルロース+高気密の家では、同じ場所でも、
- 車の音が「ゴー…」という背景音レベルまで落ちる
- 窓を閉めれば、アイドリング音の輪郭がぼやける
- 雨音はしているけれど、会話の邪魔にならない
という、「音の質」が変わった感覚になります。
4-2. 北九州の冬の夜、眠りの深さが変わる
北九州の冬は、気温以上に「湿った冷たさ」が体にこたえます。
セルロース断熱+高断熱・高気密の家だと、
- 寒さの「スースー感」が少なくなる(放射+気密の効果)
- 外の風音・雨音も丸くなる
結果として、お客さまからは、
「なぜかわからないけど、この家に来てから子どもがよく眠る」
「夜中に外の音で起きることが減った」
という感想をいただくことが多いです。
医学的な話はさておき、音と温度の”揺れ幅”が小さいことが、身体と自律神経にとっては、確実にプラスに働いていそうだなと感じています。
5. セルロースの「静けさ」を活かす設計ポイント
5-1. 壁だけでなく、床・天井も「中身」を意識する
二階床:
- 床下地の二重張り+セルロース or 高密度断熱材
- 必要に応じて遮音マット
吹き抜け周り:
- 手すり壁・腰壁にもセルロースをきちんと充填
こうすることで、
- 子どもの足音が**ドンドンではなく、トトト…**と柔らかく聞こえる
- 一階のテレビの音が、二階寝室で気になりにくくなる
という、上下階の静けさにもつながります。
5-2. 「静かにしたい部屋」だけワンランク上げる
特に静けさが欲しいのは、
- 主寝室
- 子ども部屋
- 在宅ワーク用の書斎
などですよね。
こういう部屋は、
- 壁のボードを二重張りにする
- セルロースの厚みをしっかり確保
- ドアを少し重めのタイプにする
といった**「ピンポイント強化」で、「音の保健室」**のような部屋にすることもできます。
6. セルロース断熱の「静けさ」Q&A
Q1. セルロースにすれば、完全防音になりますか?
いわゆる「音楽スタジオレベルの防音」とは別物です。セルロース断熱は、
- 日常生活の音を丸く・遠く感じさせる
- 雨音・車の音・生活音の「刺々しさ」を削る
という意味で、とても優れていますが、完全に無音になるわけではありません。**「自然な生活音は残しつつ、耳と心がラクになる静けさ」**くらいに捉えていただくとイメージが近いです。
Q2. 発泡系断熱材でも、気密を上げれば静かになりますか?
ある程度までは静かになります。C値が良くなると、
- 「すき間からスッと入る音」
- 「ヒューヒューいう風の音」
などはかなり減ります。
ただし、**壁・床・天井の中身の”音のもみほぐし力”**は素材によって違うので、セルロース+面材+漆喰の組み合わせならではの静けさは、やはり大きいと感じています。
Q3. セルロースは防音材としてコストに見合いますか?
「音だけのため」に見ると割高に感じるかもしれませんが、
- 断熱性能(省エネ)
- 熱容量(温度の安定)
- 吸音性(静けさ)
- 紙由来の安心感
をまとめて考えると、「暮らしの質」全体へのリターンはかなり大きいと感じています。
特に、福岡・北九州のように、
- 夏も冬もエアコンに長くお世話になる地域
- 幹線道路や鉄道が生活圏に近いことが多い地域
では、セルロースの「静けさ」は十分に投資対象になると思います。
7. 福岡・北九州で、「静けさ」込みで家づくりを考えたい方へ
- 子どもが落ち着いて眠れる家にしたい
- 在宅ワークで、外の音や家族の音が気になる
- 将来、親御さんとの同居を考えていて、音のストレスを減らしたい
そんな方には、「断熱性能+熱容量+静けさ」まで含めた外皮設計を、ぜひ一度体感してほしいなと思っています。
ビオハウジングでは、
- セルロース断熱の施工現場の見学
- 実際にお住まいのOBさんの声
- モデルハウスでの「音」と「温度」の体感
などもご案内できますので、
「数字だけじゃなく、空気と音の質で家を選びたい」
という方は、どうぞ気軽にご相談ください。