セルロース30cmの屋根断熱がつくる「2階が暑くない家」──ビオハウジングが発泡ではなく“重い断熱材”を選ぶ理由
こんにちは、福岡のビオハウジング 健康オタクの住宅設計士、竹森哲也です。
セルロースファイバーで屋根断熱工事をしている現場で、よくこんな会話になります。
「うちの実家、夏になると2階がサウナみたいで…」
エアコンをつけても、天井からじわじわくる熱気。
足元だけ冷えて、頭のあたりはモワッと暑い、あのいや〜な感じです。
一般的な注文住宅では、屋根や天井に発泡系断熱材(発泡ウレタンなど)を使うことが多いのですが、
ビオハウジングではあえて、屋根の外側・内側あわせて約30cmという厚みでセルロースファイバーを吹き込んでいます。
「熱伝導率だけ見ると、他の断熱材とそんなに変わらないのに、なんで?」
今日はその理由を、できるだけやさしくお伝えしてみます。

屋根と天井の下地の間をびっちりとセルロースで30センチの厚みで吹き込みます。
なぜ今「屋根断熱」が家の寿命と暮らしを左右するのか
福岡・北九州は、夏の暑さと湿気がなかなか手ごわい地域です。
屋根は一日中、強い日射を浴び続け、真夏は表面温度が60〜70℃近くになることもあります。
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屋根が焼ける
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その熱が構造材や小屋裏の空気にじわじわ伝わる
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夜になってもなかなか冷めない
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2階が「いつも暑い家」になる
この**“屋根からのじんわりした熱”**をどうコントロールするかが、これからの気象条件ではとても大事になってきます。
ビオハウジングでは、
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セルロースファイバーによる屋根30cm断熱
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小屋裏エアコン+床下暖房
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無垢材(天然木)の床や漆喰(塗り壁)
と組み合わせることで、体感温度(肌で感じる温度)が安定した健康住宅を目指しています。
一般的な発泡系断熱とセルロースファイバーの違い
「熱伝導率」だけを見ると、実は大きな差はない
断熱材のカタログには、よく「熱伝導率(λ)」という数字が出てきます。
これは**“熱がどれくらい伝わりやすいか”**の指標で、小さいほど「熱を通しにくい=断熱性が高い」とされます。
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発泡ウレタン系 … 熱伝導率はかなり小さい(よく断熱される)
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セルロースファイバー … 発泡系と同じくらい、もしくは少し劣る程度
数字だけ見ると、
「え?じゃあ発泡のほうがいいんじゃないの?」
と思われるかもしれません。
でも、ここで見落としがちなのが**「熱容量(ねつようりょう)」**というもう一つの性格です。
“熱容量”の違いが、「夏の2階の暮らし心地」の差になる
熱容量とは、**どれだけ熱をため込めるか(&ため込んだ熱をゆっくり出すか)**の性格です。
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発泡系断熱材
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とても軽く、空気を多く含む
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熱容量が小さい=熱の出入りが速い
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日中受けた熱が、わりとすぐ室内側へ伝わりやすい
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セルロースファイバー
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古紙由来の繊維で、密度がしっかりある
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熱容量が大きい=熱をじわ〜っと時間をかけて動かす
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昼間の屋根の熱をためつつ、室内側に伝わるタイミングを遅らせてくれる
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イメージとしては、
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発泡系:
→「ペラペラの発泡トレーのフタ」 -
セルロースファイバー:
→「分厚い木のまな板」
に近い感覚です。
真夏の午後、屋根30cmのセルロースがしっかり熱を受け止めてくれると、
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日中の熱が、夕方〜夜に一気に室内へ入ってくるのを抑えられる
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2階や小屋裏が「サウナのように熱くならない」
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小屋裏エアコンが、少ないエネルギーでゆるやかに効く
という**“時間のコントロール”**ができるようになります。
セルロース屋根断熱30cmの具体的なイメージ
屋根の外側+内側ダブルで守る
ビオハウジングでは、屋根の外側に通気層、内側にセルロースファイバーを吹き込み、合計約30cmの層をつくります。
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屋根の外側:
→ 夏の日射を最初に受け止める“第一の盾”として通気層 -
屋根の内側:
→ 室内に近いところで、熱と湿気の変動をさらにやわらげる“第二の盾”
このダブル構成にすることで、屋根からの熱ストレスを極力小さくできます。
調湿性能で、小屋裏の空気が「ベタベタしない」
セルロースファイバーには、調湿性能があります。
空気中の湿気を一時的に吸い込み、乾燥してくるとまた放出する、という「呼吸」に近い動きをしてくれます。
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真夏の午後:
→ 小屋裏の湿度が上がりすぎるのを抑える -
夜〜朝:
→ 乾燥しすぎを防ぎ、急な結露を起こしにくくする
その結果、
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小屋裏や2階の室内空気がベタベタせず、サラッとした感覚に近づく
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結露しづらいことで、カビ・ダニ・アレルギーのリスクを下げる
ビオハウジングでは、無垢材の床や漆喰(塗り壁)などの自然素材と組み合わせることで、
家全体が一つの「自然素材の家」として呼吸する空気環境をつくっています。
福岡・北九州の気候だからこそ、セルロース屋根断熱に意味がある
福岡・北九州エリアの特徴は、
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夏:高温多湿、夕立も多く、夜も暑い
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冬:そこまで極寒ではないが、湿度が高く底冷えしやすい
という**「暑さと湿気」セット**の気候です。
この地域での注文住宅を考えるとき、
「冬の寒さ対策」だけで断熱を選ぶと、夏の2階地獄に悩まされてしまうことがあります。
セルロースファイバーの屋根断熱30cmは、
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夏の日射と屋根の高温を熱容量でいなす
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調湿性能で、室内空気と構造体を結露から守る
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小屋裏エアコンと組み合わせて、静かでムラのない冷暖房を実現する
という意味で、福岡・北九州の工務店としては、とても相性が良いと感じています。
ビオハウジングが「発泡ではなくセルロース」を選ぶ理由(まとめ)
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熱容量が大きく、夏の屋根の高温を“時間でずらせる”
→ 2階・小屋裏がサウナ化しにくい -
調湿性能が高く、屋根周りの結露リスクを減らせる
→ 構造材や断熱材を、長く健全に保ちやすい -
繊維系で音も吸収しやすく、小屋裏エアコンの風音もマイルド
→ 「静かな涼しさ」「静かな暖かさ」に近づく -
古紙由来で、環境負荷も小さい
→ 自然素材・健康住宅の考え方に合っている
もちろん、発泡系断熱材がダメという話ではありません。
ただ、これからさらに屋根の高温化・ゲリラ豪雨・湿度の振れ幅が大きくなる気象条件を考えると、
ビオハウジングとしては「セルロースで屋根をどっしり守る」という選択をしています。
どんな暮らしの変化があるのか(未来のワンシーン)
想像してみてください。
真夏の夜。
福岡・北九州の街では、まだアスファルトがじんわり熱を放っています。
でも、セルロース屋根断熱30cm+小屋裏エアコンの家では、
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2階の寝室に上がっても、むわっとした熱気がない
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無垢材の床が、ひんやりでもなく、ベタベタでもなく、素足にちょうどいい温度
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漆喰の白い塗り壁が、静かに光を受け止めていて、空気が澄んで感じられる
そんな中で、子どもたちが
「今日はエアコン弱くして寝よっか」と言えるくらいの、やわらかな涼しさ。
冬になれば、
同じセルロース屋根断熱と床下暖房が、今度は冷えとヒートショックから家族を守ってくれます。
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脱衣室も廊下も、そこまで温度差がない
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お風呂上がりにブルッと震えない
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室内空気がスーッと軽く、頭痛やだるさが出にくい
そんな**「体感温度」と「室内空気」が整った暮らし**を、福岡・北九州の注文住宅で当たり前にしたい。
それが、ビオハウジングがセルロースファイバーの屋根断熱を選び続けている理由です。
最後に──家づくりのご相談をお考えの方へ
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夏の2階が暑くない家にしたい
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自然素材の家・健康住宅に興味がある
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小屋裏エアコンや床下暖房の仕組みも知りたい
そんな方は、ぜひ一度、ビオハウジングの家を体感しに来てみてください。
図面や数値(Ua値、断熱材の熱伝導率)を見るだけではわからない、
体感温度・空気環境・音の静けさを、五感で感じていただけると思います。
福岡・北九州で注文住宅をお考えの方の、
「暑さと湿気に振り回されない、静かでやさしい暮らしづくり」のお手伝いができたらうれしいです。
FAQ
Q1. なぜ屋根断熱にセルロースファイバーを使うのですか?
A. 熱伝導率だけを見ると発泡系断熱材と大きな差はありませんが、セルロースファイバーは熱容量が大きく、屋根からの熱をゆっくり時間をかけて動かしてくれます。福岡・北九州のように夏の日射が強く湿度も高い地域では、屋根30cmのセルロース断熱によって、2階や小屋裏がサウナのようになるのを防ぎやすくなります。
Q2. 発泡系断熱材と比べて、セルロースは断熱性能が劣りませんか?
A. カタログ上の熱伝導率は発泡系のほうが少し有利な場合もありますが、実際の暮らし心地を左右するのは「熱伝導率」だけでなく「熱容量」と「調湿性能」です。セルロースファイバーは重さがあり熱容量が大きいため、屋根からの熱の侵入を時間的に遅らせ、夏の2階の暑さを和らげる効果が期待できます。
Q3. セルロースファイバーは湿気を吸ってカビたりしませんか?
A. セルロースファイバーは調湿性能により、空気中の水分を一時的に吸放出することで湿度の急激な変化を抑えてくれます。適切な防湿・通気設計とセットで使うことで、むしろ結露を減らし、構造体や室内空気をカビ・ダニから守る方向に働きます。ビオハウジングでは、設計段階から屋根・壁全体の湿気の流れを考えたうえで採用しています。
Q4. セルロース屋根断熱30cmはコストが高くなりませんか?
A. 初期費用だけを見ると、薄い断熱材よりコストはかかります。ただし、夏の冷房負荷や冬の暖房負荷を抑えやすくなること、2階が暑すぎてエアコンを増設する…といった後悔を減らせることを考えると、長期的な「快適さ」とランニングコスト」を含めたトータルコストでは十分に意味のある投資だと考えています。