非認知能力は「家の空気」と一緒に育つ ビオハウジングが考える、子どもの“いのちの環境”としての住まい
はじめに:勉強より「家の空気」のほうが先だったかもしれない
こんにちは、ビオハウジング
健康オタクの住宅設計士・竹森哲也です。
少し前まで、私自身もどこかでこう思っていました。
「子どもの将来のためには、
いい学校・いい勉強環境を整えてあげることがいちばん大事だ」
タブレット学習、習い事、参考書…。
「学び」に関してはあれこれ考えるのに、
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冬の朝、廊下が息が白くなるほど寒い
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お風呂上がりだけ妙にスースーする
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エアコンの音がうるさくて会話が途切れがち
そんな「家の空気」のことは、正直、後回しにしていた時期がありました。
でもある日、宿題の時間にイライラして泣き出した子どもを見て、ハッとしました。
もしかして、
「子どもの頭」より先に
「子どものからだと感情が落ち着ける家」を
つくるほうが先だったのではないか。
そこから私の中で、「非認知能力」と「家づくり」の話が、
一本の線でつながっていきました。
非認知能力って、そもそも何?(ビオハウジング流の整理)
まず言葉の整理から。
認知能力
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テストや偏差値に出やすい「頭の力」
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読む・書く・計算する・覚える・論理的に考える…といった部分
非認知能力
非認知能力は、
数値化しづらい「生きる力」全般 を指します。
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自己肯定感(自分はここにいていい、という感覚)
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粘り強さ・やり抜く力
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感情のコントロール(自制心)
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共感性・やさしさ
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危険や無理に気づける感覚
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失敗から立ち直る力(レジリエンス)
私の言葉でいうと、
「いのちのOS(基本ソフト)」
のようなものだと感じています。
最新の教育や心理学の世界でも、
「これからの時代は非認知能力が大事」とよく言われますが──
ビオハウジングとしては、そこに 「家という器」がどう関わるか を、
ずっと考えてきました。
なぜ、家づくりが非認知能力と関係あるのか?
根本原因:子どもは「環境を選べない」から
大人は、
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うるさいカフェを変える
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暑すぎたらエアコンをつける
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合わない場所から離れる
という選択ができます。
でも子どもは、
「どの家に、どの空気の中で育つか」を自分で選べません。
「学校・勉強・しつけ」の前に、
24 時間ずっと浴び続けているのが、家の温度・湿度・音・匂い・光。
その「いのちの環境」が、
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からだをゆるめてくれるか
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いつも戦闘モード(我慢モード)にしてしまうか
ここが、非認知能力の土台に大きく影響している──
これが、私が設計・施工の現場で感じてきたことです。
ビオハウジングの視点:非認知能力=いのちの環境 × 五感
ビオハウジングでは、家を
「人の心とからだ、そして微生物までふくめた“いのちの環境”」
として考えています。
その中で、非認知能力と深く関わっていると感じるのが、
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温熱環境(温度・湿度・体感温度)
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空気環境(換気・におい・微生物)
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素材感(天然木の床・漆喰の壁など)
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間取りと暮らしのリズム
です。
順番に、ビオハウジング流にほどいてみます。
1. 温熱環境 × 非認知能力
「いつも寒い家の子」と「どこでも安心な家の子」
高断熱・高気密で守りたいのは、「点数」ではなく感情
断熱性能・UA値(外へ逃げる熱の少なさ)と言うと、
どうしても「光熱費のため」「省エネのため」と思われがちですが、
ビオハウジングとしては、
子どもの感情の揺れやすさに関わる部分だと感じています。
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冬:部屋ごとに温度差が大きい家
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→ 廊下・洗面・トイレに行くだけで、からだがギュッと緊張
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夏:西日で部屋が蒸し風呂のようになる家
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→ 夕方のいちばん敏感な時間帯に、体力を消耗
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こうした「小さなストレス」が積み重なると、
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ちょっとしたことでイライラしやすい
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宿題に向かう前にもう疲れている
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眠りが浅くなりがち
といった、非認知能力の土台(情緒の安定)が揺らぎやすくなります。
じゃあ、どんな環境がいいのか?
ビオハウジングでは、
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高断熱・高気密
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小屋裏エアコンや床下エアコンなど、家全体をじんわり温める全館空調
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ヒートショックを避ける脱衣所・トイレの温度設計
を組み合わせて、
「家のどこに行っても、大きく気を張らなくていい温度」
を目指しています。
これは、非認知能力で言えば、
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感情がフラットに戻りやすい
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我慢する前に「休みたい」と言える
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家が“充電器”としてちゃんと機能する
そんな 「感情の安全基地」 をつくることだと思っています。
2. 空気環境 × 非認知能力
深呼吸できる家は、がんばりすぎない家
換気と微生物の話
ビオハウジングでは、
「発酵する家」というコンセプトで、空気も大事にしています。
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塵・花粉・PM2.5・排気ガスなどをしっかりカットしつつ
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家の中の揮発性有機化合物(接着剤や塗料由来)を外に逃がし
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過度に“殺菌”しすぎない、微生物が落ち着ける空気環境
これができると、からだは少しずつ「深呼吸モード」を思い出します。
深く息が吸えて、よく眠れる家の子どもは、
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朝の機嫌が整いやすい
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小さなことで爆発しづらい
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頭の切り替えがしやすい
=非認知能力のベースである「自律神経の安定」に近い状態を保ちやすくなります。
3. 素材感 × 非認知能力
天然木の床と漆喰の壁は、「自然を感じる基準」をつくる
ビオハウジングの家づくりでは、
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床:天然木(無垢)のフローリング
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壁:漆喰や自然系の塗り壁
を大切にしています。
これは見た目の好みではなく、
非認知能力と五感の関係 から選んでいる面が大きいです。
足裏で覚える「ちょうどいい」温度と湿度
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無垢の床
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冬:冷たいけれど、足を刺すような冷たさではない
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夏:ベタつかず、さらっとしている
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樹脂系・シート系の床
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冬:キンと冷たく感じやすい
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夏:汗ばんだ足にペタッと張り付きやすい
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毎日素足で触れる場所が「ちょうどいい」と、子どもの中に
「これくらいの温度・湿度が気持ちいい」
という “自然に近い基準” が育ちます。
これは、
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体調の変化に気づく感度
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暑さ・寒さを言葉にする力
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「今の自分には、何が必要か?」を感じる力
といった、非認知能力のごく根っこの部分とつながっています。
光と音と匂い──漆喰の壁が整えるもの
漆喰の壁は、
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光をやわらかく散らし
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匂いを少し和らげ
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表面の凹凸が、音の反射もマイルドにしてくれます。
結果として、
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目が疲れにくい
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空気が重くなりすぎない
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音がキンキンしにくい(イライラしにくい)
という、“なんとなく落ち着く”空間が生まれます。
この「なんとなく」が、実は子どもの非認知能力──
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自己肯定感(ここにいていい)
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情緒の安定
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共感性(場の空気を感じ取る力)
の背景になっていると感じています。
4. 間取りと暮らしのリズム × 非認知能力
「叱る回数を減らす」ための設計
非認知能力の代表格である、自己肯定感・自制心・粘り強さ。
これは「叱らない子育て」で育つのではなく、
「叱らずに済む環境」を増やしていくことで育つ
と、私は思っています。
たとえば、こんな間取りの工夫
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玄関〜ただいま動線
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帰宅 → 手洗い → アウターを掛ける → ランドセルを置く
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この一連の流れを “迷わなくていい動線” でつくる
→ 忘れ物や散らかりが減り、叱る回数も自然に減る
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リビング学習コーナー
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親の目が届きつつ、子どもが「自分の基地」と感じられる場所
→ 「ちゃんとやりなさい」より、「今日はどうだった?」と聞ける時間が増える
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家族が話せるテーブル
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朝や夜に「今日どうだった?」を話せるテーブルの配置
→ 言語化することで、感情の整理(非認知)が進む
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間取りは、
「どれだけ子どもを怒るか/認めてあげられるか」 に直結しています。
そこを設計の段階から一緒に考えるのが、
ビオハウジングがやりたい家づくりです。
「非認知能力を家から育てる」ために、今日からできること
新築・リフォームに関係なく、
今日からでもできる小さな一歩を、いくつか挙げてみます。
1)「ホッとする場所」を家の中に一つ決める
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できれば、足元が天然木や自然素材のラグの場所
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光を少し落として、スタンドライトや間接照明にする
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テレビやスマホの音が届きにくいコーナーに
→ ここを 「家族の充電スペース」 にしてみる。
2)温度と音を「子どもの言葉」で確かめる
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「今日のリビング、どんな感じ?」
(暑い/寒いだけでなく、重い/軽い/静か/うるさい でもOK) -
「どこが一番落ち着く?」と聞いてみる
→ 子どもの “環境を感じるセンサー”を一緒に育てる時間 になります。
3)叱ってしまう場面を、間取り・収納から見直してみる
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片付けができない→収納位置や高さが合っていないかも
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宿題をしない→そもそも落ち着ける場所がないのかも
→ 部屋の使い方・家具の配置を変えるだけで、
「非認知の伸びしろ」が見えてくることも多いです。
福岡・北九州で「非認知能力を育てる家」をつくりたい方へ
北九州市や福岡県は、
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夏は湿度が高く、暑さが長引き
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冬は思った以上に底冷えし
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黄砂やPM2.5など、空気の質の問題もある地域です。
だからこそ、
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高断熱・高気密で「からだがホッとする温度」をつくり
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換気と空気清浄で「深呼吸したくなる空気」を守り
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天然木や漆喰で「自然を感じる基準」を育て
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間取りと暮らし方で「叱らずに済む環境」を整える
そんな家づくりが、
子どもの非認知能力=“いのちのOS”を育てる一番の土台 になると考えています。
「非認知能力って、結局なにをすればいいの?」
「うちの子に合う“いのちの環境”ってどんな家だろう?」
そう感じたときは、
一度、ビオハウジングに遊びに来ていただけたらうれしいです。
図面や性能の話だけでなく、
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お子さんの様子
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ご家族の疲れやすい時間帯
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家の中で落ち着く場所・落ち着かない場所
などを一緒に整理しながら、
「この子の非認知能力が、いちばん自然に育つ家」
を、一緒に考えていきましょう。
Q1. 非認知能力とは何ですか?家づくりと関係あるのでしょうか?
A. 非認知能力とは、自己肯定感・粘り強さ・自制心・共感性など、テストに出ない「生きる力」のことです。これらは、頭で教え込むだけでは育たず、温度・湿度・音・光・匂いといった 家の環境から大きな影響を受けます。高断熱・高気密で温度差が少ないことや、深呼吸したくなる空気、天然木や漆喰のやわらかな質感などは、子どもの情緒の安定や自己肯定感の土台を支えてくれます。
Q2. ビオハウジングが非認知能力のために大事にしているポイントは?
A. ビオハウジングでは、非認知能力を「いのちの環境×五感」の問題としてとらえ、
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温熱環境(高断熱・高気密+全館空調)
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空気環境(換気・空気清浄・発酵する家の考え方)
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素材感(天然木の床・漆喰の壁などの自然素材)
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間取りと暮らしのリズム(叱らずに済む動線・リビング学習など)
の4つを柱に設計しています。これらを整えることで、子どもの感情がフラットに戻りやすく、自己肯定感や自制心が育ちやすい「いのちの環境」をつくります。
Q3. すでに建てた家でも、非認知能力を育てる工夫はできますか?
A. はい、できます。家全体を大きく変えなくても、
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リビングの一角に天然木や自然素材のラグを敷いて「素足でホッとできる場所」をつくる
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一面だけ漆喰や自然系塗り壁にして、光と空気の質をやわらげる
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間接照明や布カーテンで光を調整する
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帰宅動線やランドセル置き場を見直して、叱らなくて済む仕組みをつくる
など、小さな一歩からでも、子どもの非認知能力の土台を支えることができます。