なぜ「高断熱の家」で風邪をひきにくくなるのか? 福岡・北九州の冬と、免疫が“乱れにくい”住まいの話
こんにちは、福岡のビオハウジング
健康オタクの住宅設計士、竹森哲也です。
福岡・北九州の冬って、数字だけ見ると「そんなに寒くない」と言われることがあります。
でも、実際に暮らしていると──
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なんだか家の中までじんわり冷える
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子どもが毎冬のように風邪をひく
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リビングはまだいいけれど、廊下・脱衣室・トイレが刺すように冷たい
こんな声を、本当によく聞きます。
最近は
「高断熱の家にすると風邪をひきにくいって本当ですか?」
と聞かれることも増えました。
今日は、
なぜ「高断熱の家」で、風邪をひきにくくなるのか?
それは「免疫力が整うから」と言ってよいのか?
を、福岡・北九州の注文住宅をつくる工務店の視点から、
できるだけやさしくお話してみます。
昔の失敗談:「暖房はつけているのに、なぜか家族がよく風邪をひく家」

少し、私自身が見てきた「寒い家」のエピソードから。
昔の木造住宅でよくあるのが、
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エアコン or 石油ファンヒーターがあるのはリビングだけ
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廊下や脱衣室、トイレはほぼ外と同じ温度
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窓辺に近づくと、スーッと冷気が降りてくる
というパターンです。
そんな家で冬を過ごしていたご家族は、
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子どもが冬になると毎月のように鼻水・咳
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大人も、年に数回は寝込む風邪
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「寒いから」と、どうしてもこたつやストーブの前に長時間座りっぱなし
それでも当時は、
「うちは体が弱いからかな」
「歳だから風邪をもらいやすいんだろう」
と、“自分の体質や年齢”のせいにしていた方が多かったように思います。
でも、よくよく観察してみると、
暮らしている「器(=家)」側の条件が、かなり大きく影響していました。
根本原因:ウイルスだけじゃなく「冷え・乾燥・睡眠不足」がセットで起きている
風邪やインフルエンザは、もちろんウイルス感染が原因です。
ただ、そのウイルスが
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体の中に入りやすいか
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入ったあとに増えやすいか
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免疫がうまく対応できるか
には、**「家の環境」と「暮らし方」**が深く関わっています。
ポイントを整理すると、寒い家ではこんなことが起きやすいです。
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体が冷える → 免疫細胞が働きにくい状態になりやすい
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室内が乾燥する → ウイルスが空気中で生き残りやすい
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部屋ごとの温度差が大きい → 血圧や自律神経にストレス
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寒くて眠りが浅くなる → “免疫の自己修復タイム”が削られる
つまり、
「ウイルスのせい」だけでなく、
“ウイルスが喜ぶ環境”+“免疫が乱れやすい環境”が揃ってしまっている
ということなんですね。
ここを、高断熱の家がどう変えてくれるかを見ていきます。
① 体温が安定しやすい → 免疫が働きやすい土台ができる
まず大事なのが「体温」です。
免疫細胞(白血球など)がいちばん働きやすいのは、
36〜37℃くらいの体温が保たれているときだと言われます。
ところが、家の中が寒いと──
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足元からじわじわ熱が奪われる
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壁や窓が冷たくて、“周りに冷たいストーブがいっぱいある”状態
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体が芯まで冷え、血流も落ちやすい
結果として、
のどや鼻の粘膜の血流が落ちる
→ バリア機能が弱る
→ 侵入したウイルスをやっつけにくくなる
という流れが起こりやすくなります。
高断熱の家だと…
高断熱・高気密の家は、
**外へ逃げる熱をしっかり抑え、家全体を“魔法瓶に近づける”**イメージです。
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リビングだけでなく、廊下・トイレ・脱衣室も極端に冷えにくい
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床・壁・天井・窓の内側の表面温度が上がり、
「じっとしていてもヒヤッとしない」空間になりやすい
その結果、体温が大きく下がりにくい。
これは、免疫が自分の力を発揮しやすい、大事な土台になります。
② 室温と湿度が安定 → ウイルスが“居座りにくい空気”になる
冬のウイルス(インフルエンザなど)は、
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低温
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低湿度
を好みます。
乾燥した冷たい空気だと、
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飛沫が小さくなって空中を長く漂いやすい
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ウイルス自体も生き残りやすい
と言われています。
高断熱の家が有利なポイント
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室温が保ちやすい
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少ないエネルギーで暖房できる
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無理に強風で暖めなくても、じんわり暖かさをキープしやすい
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湿度40〜60%を目指しやすい
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気密がしっかりしているほど、
「外の冷たく乾いた空気がすき間からどんどん入る」状態を防げる -
換気+加湿の工夫で、“乾燥しすぎず・結露もしにくい”ゾーンを狙いやすい
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この**「適度な温度」と「適度な湿度」**の組み合わせが、
ウイルスが飛び交い・生き延びにくい空気
+ のど・鼻・気道の粘膜が乾きすぎない
という、風邪予防にとってありがたい環境をつくってくれます。
③ 夜間の冷え込みが減る → 睡眠の質が上がり、免疫の“自己修復タイム”が守られる
免疫の調整・修復は、眠っているあいだにたくさん行われます。
でも、寒い家だと…
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夜中にトイレに起きるたび、廊下でブルッと震える
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足元が冷えて、布団に入ってもしばらく眠れない
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明け方に暖房が切れて、身体が冷えて目が覚める
こんなことが当たり前になっている方も多いと思います。
すると、
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深い眠り(熟睡)の時間が短くなる
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「寝たはずなのに疲れが取れていない」状態に
つまり、免疫の“メンテナンス時間”が削られてしまうんですね。
高断熱の家だと…
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寝室も廊下も、温度差が小さい
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足元からじわっと冷える感覚が少ない
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明け方に暖房が切れても、一気に室温が落ちにくい
こうした条件が揃うので、
眠りが深く・安定しやすい
→ 免疫の自己修復がしっかり行われる
→ 風邪をひいても「治りが早い」と感じやすくなる
という良い循環が生まれます。
④ 「免疫力が整う家」と言える理由
ここまでをまとめると、高断熱の家は
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体を冷やさない
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温度差ストレスを減らす
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乾燥しすぎを防ぎやすい
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眠りの質を守りやすい
という4つの面から、
免疫そのものを“パワーアップ”させるというより、
「免疫が自分の仕事を淡々とこなしやすい環境」を用意してくれる
と言えます。
なので、私としては
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「免疫力が高まる家」より
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「免疫が乱れにくく、整いやすい家」
という表現の方が、現実に近いと感じています。
ケース1:子どもの冬風邪が減ったご家族の例
福岡・北九州で実際にあったケースを、少しイメージでご紹介します。
Before:築30年の戸建て
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冬の朝、寝室は10℃前後
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お風呂あがりの脱衣室がキンと冷える
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子どもが毎冬、2〜3週間ごとに風邪
お母さんの口癖は、
「うちは子どもが弱くて…」
「保育園でもすぐもらってきてしまうんです」
でした。
After:高断熱・高気密+計画換気の家へ
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冬の朝でも、寝室が18〜20℃前後
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脱衣室・トイレとの温度差が少ない
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エアコンの風量は弱めでも、家全体がじんわり暖かい
暮らし始めて1〜2年経ったころ、
「もちろん風邪はひくんですが、長引かなくなった気がします」
「夜中の咳き込みが減って、親も子も眠れるようになりました」
というお声をいただきました。
医学的に「○%減りました」とまでは言えませんが、
暮らしと環境が変わることで、**“体調の波が穏やかになった”**のは確かだと思います。
ケース2:高齢のご両親と同居する家
もうひとつ、北九州での例です。
Before:親世帯の平屋+子世帯の二階建て
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親世帯の平屋は昔ながらの断熱
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冬は石油ストーブ+こたつがメイン
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足元が冷えるせいか、冬になると咳や体調不良が増える
After:二世帯で高断熱住宅に建て替え
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一階全体を暖房しやすい間取り
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床・壁・窓の表面温度が上がり、“底冷え”がない
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トイレや廊下の温度も大きくは下がらない
暮らし始めて数年後、ご家族はこう話していました。
「父が『今年はあまり風邪をひかんかったな』と言い出して」
「前は冬になると、病院に行く回数が増えていたけれど、今はだいぶ落ち着いています」
高齢の方にとって、
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体を急に冷やさない
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夜中の移動でヒヤッとさせない
というのは、風邪だけでなく、ヒートショックや肺炎のリスクを下げる意味でも、とても大事な点です。
ただし注意点:「高断熱=何もしなくていい」ではない
ここは、設計者として正直にお伝えしたいところです。
高断熱の家でも、
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換気が適切でない
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加湿しすぎて結露・カビが出ている
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逆に加湿が足りず、湿度30%台が続く
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「もったいないから」と暖房を我慢しすぎる
こんな状況になると、
「性能はいいのに、なぜか体調がイマイチ」
ということも起こりえます。
高断熱の家と相性が良い暮らし方のポイント
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冬は、**室温18〜22℃・湿度40〜60%**をざっくり目安に
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温湿度計をリビングと寝室に置いて、
“感覚”+“数字”で確認してみる -
換気計画に合った「窓の開け方」や「加湿器の使い方」を、
入居時にきちんと説明してもらう
家と暮らしの両方がかみ合ってこそ、
**「免疫が整いやすい家」**が力を発揮してくれます。
福岡・北九州で「風邪をひきにくい家づくり」を考えたい方へ
ビオハウジングでは、
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Ua値(外へ逃げる熱の少なさ)
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C値(家のすき間の少なさ)
といった性能の数字も大切にしながら、
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冬の朝、布団から出るのが苦痛じゃないか
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お風呂あがりに、体をぎゅっと縮めずに済んでいるか
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子どもたちが、鼻水だらけの冬から卒業できているか
といった、暮らしの“体感”の変化を一緒にイメージしながら設計していきます。
「家を建てるなら、子どもの冬風邪を少しでも減らしてあげたい」
「両親と同居するから、ヒートショックや肺炎が心配」
そんなお悩みがあれば、
図面の前に、まず今の暮らしと体調の話から聞かせてください。
福岡・北九州という気候の中で、
あなたの家族の免疫が“静かに・淡々と”働きやすい器を、一緒に考えていきましょう。