性能の数値に出ない性能にこだわる。福岡・北九州の注文住宅で考える“身体が先にわかる家”
こんにちは。
福岡のビオハウジング、健康オタクの住宅設計士 竹森哲也です。
北九州で自然素材の注文住宅をつくる工務店として、設計から現場まで一貫して見ています。
冬の現場で、先に反応するのは“頭”ではなく“身体”でした
冬の現場。
車を降りた瞬間、頬に当たる空気が冷たい。
吐く息が少し白く見えて、肩に力が入る。
そのまま玄関を開けると、ふわっと空気がやわらぐ。
「……あ、違う」
そう感じる瞬間があります。

お施主さまが、
「もうエアコン効いてます?」
と、少し笑いながら聞かれることがあります。
でも、この“ふわっ”は、
ただ室温が高いからだけでは説明しきれません。
Ua値(外へ逃げる熱の少なさ)や
C値(家のすき間の少なさ)はもちろん大事です。
ただ、家の心地よさは、
数字だけでは語りきれないところがあるんですよね。
床、壁、空気、湿度、におい、音。
そういうものが静かに整ってはじめて、
人は「この家、なんだか落ち着く」と感じるのだと思っています。
数値は“地図”。でも、暮らしは“風景”です
家づくりでは、どうしても数字が先に出てきます。
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断熱性能
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気密性能
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耐震性能
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省エネ性能
これは、もちろん必要です。
むしろ、ここが曖昧だと話になりません。
でも、僕はいつも思うんです。
数値は、家づくりの地図ではある。
けれど、住み心地そのものではないと。
たとえば、地図を見れば目的地までは行けます。
でも、その場所の空気のやわらかさや、光の入り方や、静けさまでは分かりません。
家も少し似ています。
Ua値が良い。
C値も良い。
それでも、
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足元だけ少し冷える
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空気が乾いて喉がイガイガする
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室内干しのにおいが残る
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なぜか寝つきが浅い
こういうことは、実際にあるんです。
つまり、
人は“スペック”で暮らしているのではなく、
体感温度や室内空気の質の中で暮らしている、ということなんですよね。
僕が考える「数値に出ない性能」は、4つあります
ここは少し整理しておくと、伝わりやすいかなと思います。
1. 表面温度の性能
空気が暖かくても、床や壁の表面が冷たいと、身体は寒さを感じます。
特に冬は、
「室温は20℃を超えているのに、なんとなく冷える」
ということが起こります。
これは空気温度ではなく、
身体のまわりにある面の温度が関係しています。
無垢材(天然木)の床が「やわらかく感じる」のも、
見た目だけではなく、触れたときの感覚が大きいです。
2. 空気の流れの性能
換気しているのに、空気が気持ちいい家と、
なんとなく落ち着かない家があります。
この差は、
換気の有無というより、空気の流れ方です。
風が当たりすぎると寒い。
でも、動かなすぎると、よどむ。
収納、脱衣室、北側の部屋などは、
空気が止まりやすく、カビやにおいの原因にもなりやすい場所です。
だから僕は、
“機械を付ける”だけではなく、
空気の通り道を図面で描くことを大切にしています。
3. 湿度の波を整える性能
福岡・北九州の家づくりでは、ここがかなり大きいです。
春は花粉やPM2.5。
梅雨から夏は高湿度。
冬は冷えと乾燥。
この地域は、空気の状態が一年を通して大きく揺れます。
だからこそ、
湿度が上がりすぎたときも、下がりすぎたときも、
室内の環境をできるだけ穏やかに保つ工夫が必要です。
漆喰(塗り壁)や無垢材などの自然素材は、
この“波”をゆるやかにする助けになります。
劇的に全部を解決する、というより、
急な変化を和らげるクッションのような役割ですね。
4. においと静けさの性能
これも数値にはなかなか出ません。
でも、暮らしではかなり大きいです。
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室内干しのにおい
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こもった空気
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建材のにおい
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エアコンや換気の音
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音の反響
こういう小さな刺激が積み重なると、
人は知らないうちに疲れてしまいます。
逆に、
空気が澄んでいて、音がやわらかい家は、
帰ってきたときに肩の力が抜けやすい。
僕はこの感覚を、
「ただ快適」ではなく、
身体が警戒を解いてくれる家なんじゃないかと思っています。
例① 数値は十分。でも“落ち着ききらない”家
ここで、よくあるケースをひとつ。
断熱性能も悪くない。
気密もちゃんと取れている。
設備も新しい。
それなのに、
「暖房は効いているのに、なんか足元が落ち着かないんです」
「洗面所だけ、空気が重たい感じがして」
そんな声が出ることがあります。
これは、性能が低いというより、
設計の焦点が“平均値”に寄りすぎている状態だと思っています。
家全体の数字は良くても、
脱衣室、収納、廊下、北側の部屋など、
人の身体が敏感に反応する場所に小さなズレが残っている。
この“ズレ”が、
毎日の違和感になるんですよね。
例② 入った瞬間に“ふわっ”と感じる家
もうひとつは、僕たちが目指したい家の話です。
玄関を開けた瞬間に、
空気がやわらかい。
廊下も脱衣室も、温度差が急すぎない。
無垢材の床に素足で立っても、ヒヤッとしにくい。
室内干しをしても、においが残りにくい。
夜になると、音が少なくて静か。
こういう家は、
ひとつの魔法でできているわけではありません。
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断熱と気密の土台を整える
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熱橋(熱が逃げやすい弱点)を減らす
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換気計画を丁寧に考える
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温度差が出やすい場所を先回りして見る
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漆喰や無垢材など自然素材も活かす
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セルロースファイバーのような断熱材で音や湿度も考える
こうした積み重ねが、
最後に“ふわっ”という体感になって表れるんだと思います。
福岡・北九州の注文住宅こそ、「窓を開ければ解決」では足りない
昔は、
「空気が悪かったら窓を開ければいい」
で済む場面も多かったかもしれません。
でも今は少し事情が変わっています。
春は花粉、黄砂、PM2.5。
梅雨から夏は高湿度で、カビやダニが気になる。
冬は冷えと乾燥で、喉や肌がつらい。
つまり、
外の空気をそのまま入れれば快適、とは限らないんです。
だからこれからの家づくりは、
窓を否定するのではなく、
窓を開けなくても空気環境が大きく崩れない家をベースにしておくことが大切だと思っています。
その上で、
気持ちいい季節には窓を開ける。
この順番のほうが、
暮らしはずっと安定します。
性能の数字は、入口です。僕がこだわりたいのは、その先です
家づくりで数値を軽く見るつもりはありません。
そこは本当に大事です。
でも、数字だけを追いかけると、
家が“正しい箱”で終わってしまうことがあります。
僕がつくりたいのは、
正しいだけの家ではなく、
帰ってくると呼吸が少し深くなる家です。
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冬の朝、布団から出るのが少しラク
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廊下に出ても、ヒヤッとしにくい
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洗面室のもわっとしたにおいが少ない
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裸足で歩きたくなる
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なんだか家族が穏やかになる
そういう変化は、
スペック表には載りません。
でも、暮らしにとっては、
むしろそちらのほうが大きいこともあると思うんです。
福岡・北九州で注文住宅を考えるなら、
Ua値やC値のその先にある、
数値に出ない性能まで一緒に見ていきたい。
ビオハウジングでは、
そんな家づくりを大切にしています。
図面の段階でも整理できますので、
気になる方は気軽にご相談ください。
設計から現場まで、一貫して見ています。
FAQ
Q1. 数値に出ない性能とは何ですか?
Ua値やC値のような住宅性能の数値では表しきれない、体感温度、空気の流れ、湿度の安定、においの残りにくさ、音の静けさなどのことです。
Q2. Ua値やC値が良ければ、住み心地も良くなりますか?
大切な土台にはなります。ただ、住み心地は床や壁の表面温度、換気の設計、湿度の波、素材の使い方なども重なって決まるため、数字だけでは十分に語れない部分があります。
Q3. 福岡・北九州の家づくりでは何が特に大切ですか?
春の花粉やPM2.5、梅雨から夏の湿気、冬の冷えと乾燥など、空気の揺れが大きい地域です。そのため、断熱・気密に加えて、換気計画、調湿、温度差の少ない設計がとても大切です。
Q4. 自然素材の家は数値に出ない性能に関係しますか?
関係します。無垢材や漆喰などは、触れたときのやわらかさや湿度変化の緩和、においのこもりにくさなど、体感面に寄与しやすい素材です。