天然だから安心?——植物成分とホルモンの”静かな関係”
こんにちは!福岡のビオハウジングで住宅設計をしている、健康オタクの竹森哲也です。
「合成香料はよくなさそうだから、天然のアロマやハーブに変えました」
そんな声をよく聞きます。方向性としては、とても共感します。
ただ一方で、最近こんなことも感じています。
「天然=安心・無害」と信じ切ってしまうと、別のところでホルモンや自律神経に負担をかけることもある。
今日は、**「天然成分でもホルモンに作用しうる」**という側面を、できるだけやわらかく整理してみたいと思います。

1. 天然でも「生体に効く分子」であることに変わりはない
植物は”化学物質の工場”
植物は、虫に食べられないようにしたり、受粉してくれる虫を呼んだり、カビから身を守ったりするために、**たくさんの”生理活性物質”**を自分でつくっています。
その中には:
🧬 人間のホルモンに似た形の分子
🧬 ホルモンをキャッチする受容体にくっついてしまう分子
も含まれます。
つまり:
❌ 「天然だから化学物質ではない」
✅ 天然でも”よく効く化学物質”をたくさん含んでいる
というのが、からだ側の見え方です。
2. 植物エストロゲンの例:大豆イソフラボン
エストロゲンに”そっくりな形”の植物成分
大豆に含まれるイソフラボンは、代表的な**「フィトエストロゲン(植物エストロゲン)」**です。
✅ エストロゲン(女性ホルモン)と似た構造を持ち
✅ からだの中でエストロゲン受容体に結合できる
→ 弱いエストロゲン様作用、あるいは逆に抗エストロゲン作用を示すことが分かっています。
食事としての大豆は、基本的に”ほどよい”
最近のまとめでは:
✅ 大豆食品を**通常の量(1〜2食/日程度)**食べる範囲では、健康な人のホルモンに大きな悪影響は見られない
✅ 更年期症状の緩和や、心血管リスク低下など、むしろプラスに働く可能性もある
とするものが多くなっています。
ただし「濃縮サプリ」「高用量」には注意
一方で:
⚠️ イソフラボン高含有サプリ
⚠️ 分離・濃縮された大豆イソフラボンの長期大量摂取
については:
月経異常やホルモン依存性がんリスクへの影響など、まだ慎重であるべきという見解もあります。
ここで言いたいのは:
❌ 大豆そのものが悪い、という話ではなく
✅ 「天然成分でも、濃度と取り方を変えるとホルモンに効き方も変わる」
ということです。
3. アロマ・精油とホルモン:ラベンダーとティーツリーの話
男の子の乳房ふくらみと精油のケース報告
2000年代に:
📋 ラベンダーやティーツリーを含むシャンプーやローションを使っていた男児たちに、思春期前なのに乳房がふくらんだ(女性化乳房)
📋 使用をやめたら、症状が改善した
という症例報告が出ました。
その後の実験では:
🧪 ラベンダー・ティーツリーに含まれる一部成分が、試験管レベルで:
- エストロゲン様(女性ホルモン様)の作用
- アンドロゲン(男性ホルモン)を邪魔する作用
を示すという結果も報告されています。
このため、**「天然の精油でも、エンドクリン・ディスラプター(内分泌かく乱物質)的に働き得るのでは?」**と警告する論文やレビューも出てきました。
一方で「決定的ではない」とするデータも
ただしその後:
📊 ラベンダー/ティーツリー精油と子どもの内分泌異常の関連を調べた系統的レビューでは、**「証拠は限られており、明確な因果関係は確認できない」**とする結論も出ています。
つまり現時点では:
❌ 「ラベンダー=絶対に危険」でもなければ
❌ 「天然だから気にしなくていい」でもなく
✅ 「ホルモンに作用しうる”可能性”があるので、子ども・長時間・高濃度では慎重に」
くらいのスタンスが妥当だと考えられます。
4. 「天然香害」とホルモンのリズム
香害の話とつなげて考えると、カギになるのは**「濃度 × 時間 × 空間」**です。
濃い精油を、長時間、逃げ場のない場所で
たとえば:
🛏️ 寝室で精油ディフューザーを一晩中つけっぱなし
🏫 子ども部屋や教室、サロンの待合室で、いつも強いアロマが焚かれている
こうなると:
⚠️ **睡眠ホルモン(メラトニン)**が分泌されるべき時間帯に
⚠️ 脳と自律神経への”刺激”を入れ続けてしまう
ことになります。
すると:
😪 朝起きづらい
😵 日中ぼーっとする
🤕 頭痛・だるさ
😤 子どもの集中力低下
など、“ホルモンリズムの乱れ”ともつながり得る現象が出やすくなります。
ここに「天然/合成」のラベルは、あまり関係ありません。
⚠️ 強い香りを
⚠️ 密閉空間で
⚠️ 長時間浴び続ける
という構図さえ揃えば、それはもう**立派な「天然香害」**です。
5. 暮らしと家づくりでの、ホルモンにやさしい香りとの付き合い方
ビオハウジング的に、ポイントを3つに整理してみます。
① 基本は「無香・低刺激」をベースに
日常のベースは、できるだけ:
✅ 無香料
✅ 香りごく控えめ
そのうえで、香りは”たまのごほうび・スパイス”として少量だけにすると、自律神経とホルモン軸が落ち着きやすくなります。
② 子ども・妊娠中・体調不良のときはとくに慎重に
👶 子ども部屋・寝室・教室・病室・サロン待合など、「弱い人」「長時間いる人」が集まる場所は、基本 無香が安心。
🤰 妊娠中・不妊治療中・ホルモンの病気がある方は:
- ハーブサプリ
- イソフラボン高含有サプリ
- 精油の常用
などは、自己判断ではなく医師・専門家と相談したほうが安全です。
③ 家そのものの”素の空気”を整えておく
🌳 無垢材・紙・土壁など、素材そのものの匂いがほのかにある
🌬️ 風の通りや日射がちょうどよく、香りに頼らなくても、深く息ができる空気
こんな状態がつくれていれば:
「何か香りを足して落ち着こう」と思う瞬間自体が減る
のではないかと感じています。
香りやハーブは:
❌ 足りない空気を「ごまかす道具」ではなく
✅ 整った空気に「少し遊びを加えるスパイス」
くらいの距離感が、ホルモンにとってもやさしいバランスだと思います。
まとめ
🌿 天然成分でも「生体に効く化学物質」を含んでいる
🌿 大豆イソフラボンは適量なら問題ないが、高濃度サプリは慎重に
🌿 ラベンダーやティーツリーなど、精油にもホルモンに作用しうる可能性がある
🌿 「濃度 × 時間 × 空間」が揃えば「天然香害」になりうる
🌿 基本は無香・低刺激をベースに、香りは”スパイス”程度に
🌿 子ども・妊娠中は特に慎重に、家そのものの空気を整えることが大切
「天然だから安心」ではなく、**「天然でもホルモンに作用しうる」**という視点を持つことで、香りとの付き合い方がより健康的になります。
ビオハウジングでは、そんな視点を大切にしながら、福岡・北九州で健康住宅をご提案しています。