「香害」って何?——いい香りがつらくなる時代の、やさしい入門編
こんにちは!福岡のビオハウジングで住宅設計をしている、健康オタクの竹森哲也です。
電車や学校、職場、そして自分の家の中まで。
「どこに行っても、きつい匂いから逃げられない…」
と感じたことはないでしょうか。
その”いい香り”が、実は誰かにとって頭痛や息苦しさの原因になっている。
この状態を、今では**「香害(こうがい)」**と呼ぶようになりました。
今回は、細かい専門用語は抜きにして、香害の「全体像」だけをやさしく整理してみます。

1. 香害とは?一言でいうと…
香害とは:
柔軟剤・洗剤・香水・芳香剤などの”香り”によって、体調不良や強い不快感が出てしまうこと
です。
昔の「公害」は、工場の煙や排水でした。
今の「香害」は、それが**目に見えない”匂いのかたち”**で起きている、と言えます。
香りそのものが「悪」なのではなく:
⚠️ 香りが強すぎる
⚠️ 香りが長く残りすぎる
⚠️ その空間から逃げられない
といった条件が重なることで、一部の人にとってつらい刺激になってしまいます。
2. 香害で出やすい症状
症状の出方は人によって違いますが、よく聞くのはこんなサインです:
🤕 頭痛・片頭痛
😵 めまい・ふらつき
🤢 吐き気・気持ち悪さ
😮💨 目や鼻や喉の痛み、咳、息苦しさ
💓 動悸・胸がざわざわする感じ
😪 強い眠気・だるさ・集中できない
😤 イライラする・気分が落ち込む
ポイントは:
❌ 「匂いが嫌いかどうか」よりも
✅ 「体がどう反応しているか」
というところです。
同じ空間にいても:
😊 Aさん:いい匂いでリラックス
😰 Bさん:頭が痛くて立っていられない
ということが、普通に起こりえます。
3. 香害が起こりやすい場面
学校・子どものまわり
🏫 体操服や給食エプロンについた柔軟剤の匂い
💨 教室や更衣室にこもる制汗スプレーの匂い
🚽 廊下やトイレの芳香剤
これらが原因で:
😵 授業中に頭痛や吐き気がする
😮💨 教室に入ると息苦しくなる
と訴える子どももいます。
周りに理解されないと、「わがまま」「サボりたいだけ」と見られてしまうこともあり、二重につらくなります。
職場・通勤電車・マンション
🚃 満員電車で混ざり合う柔軟剤・香水・整髪料
🏢 制服が強い香りの柔軟剤で洗われている職場
🏠 隣の部屋の洗濯物の匂いがベランダや換気口から入ってくる集合住宅
こうした環境で:
😓 通勤だけでぐったりする
🤯 会社にいる間ずっと頭がボーッとして仕事にならない
😰 家でも窓を開けるのがこわい
といった声も増えてきました。
4. なぜ今、「香害」が問題になっているのか
① 「強く・長く香る」製品が増えたから
✅ 「一日中いい香り」「一週間香りが続く」といった商品が当たり前に
✅ 洗濯物・髪・身体・部屋・車…あちこちで香り付き製品が使われる
その結果、**「香りの重ねがけ」+「長時間の暴露」**が起きやすくなっています。
② 「いい香り=エチケット」という空気
CMや広告を通して:
📺 匂いを消す(ニオわせない)のがマナー
✨ 香りがある方が「清潔」「おしゃれ」
というイメージが広がりました。
その一方で:
「その香りで体調を崩す人もいるかもしれない」
という視点は、まだ十分に共有されていません。
③ 高気密・高断熱の家と、窓を開けない暮らし
住宅の世界では:
🏡 すき間を減らした高気密・高断熱住宅
❄️ エアコンと24時間換気で窓をあまり開けない暮らし
🧺 室内干しが増えたライフスタイル
が、ごく普通になりました。
これは快適さ・省エネの面では大きなメリットですが:
⚠️ 一度入った”匂い”が、外に逃げにくい
という側面もあります。
5. 今日からできる「香害」との付き合い方(ざっくり)
詳しい対策はまた別の記事で書くとして、概要編として**「まずここだけ」のポイント**を3つに絞ると、こんな感じです。
① 柔軟剤を一度ゼロにしてみる
✅ いちばん香りが強く、長く残りやすいのが柔軟剤
✅ 「なくても意外と困らない」ことに気づく方も多いです
② 公共の場では”無香〜控えめ”を意識する
✅ 学校・職場・病院・電車など、人が集まる場所では**「自分は平気でも、誰かにはつらいかもしれない」**と想像してみる
✅ 「無香料はだらしない」ではなく「新しいマナー」と考える
③ たばこが分煙・禁煙になったように
✅ 香りもこれからは、**「自分の楽しみ」+「周りへの配慮」**で考える時代に
おわりに——「いい香りの家」より、「呼吸がラクな家」へ
香りそのものが悪いわけではありません。
香りに救われる瞬間だって、もちろんあります。
ただ:
💭 誰かにとっては、それが”毒”になるかもしれない
🏡 高気密な現代の家は、匂いもこもりやすい
この2つを一度立ち止まって考えてみるだけでも、暮らしと家づくりの見え方が少し変わってきます。
家は**「自分と家族の呼吸が、いちばんラクになれる場所」**であってほしい。
その視点から、香りとの距離感を一緒に見直していけたらと思っています。