家の結露は住み方のせい?——原因と解決だけサクッと整理してみる
こんにちは、福岡のビオハウジングで住宅設計をしている、健康オタクの竹森哲也です。
今日お客様とお話ししていて、こんな一言がありました。
「結露って、家の湿度が高いから起きるんですよね?」
実はこれ、半分は正解で、半分はもったいない考え方です。
今回はシリーズの1回目として、https://biohousing.jp/spec_blog/high-insulation-condensation-indoor-drying/
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結露の「本当の原因」
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それに対して「どう解決していくか」
だけに絞って、シンプルに整理してみます。

1. 結露の原因:「湿度」だけじゃなく「表面温度」とのセット
1-1. 結露は「露点温度」と「表面温度」の差で起きる
結露の正体は、とてもシンプルです。
空気の「露点温度」より、
窓や壁などの「表面温度」が低くなったときに、
そこに水が出る。
この「水が出始める温度」を露点温度と呼びます。
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室温が同じでも、湿度が高ければ露点温度は高くなり、
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湿度が低ければ露点温度は低くなります。
そこに、
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「窓・壁・サッシの表面温度」がどれだけ冷えているか
が重なったとき、はじめて結露します。
1-2. なぜ「住み方のせい」にされがちなのか
結露しやすい条件を並べると、
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室内干しが多い
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加湿器を強めにかけている
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長風呂&浴室のドア開けっぱなし
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鍋物・煮込み料理が多い
たしかに、どれも「暮らし方」に関わることなので、
「湿度を上げすぎている=住み方が悪い」
と片付けられがちです。
でも実際には、
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窓や壁がどれだけ冷えているか(断熱・窓性能)
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換気がきちんと機能しているか(風量・経路)
といった、家そのものの条件も同じくらい大きな要因です。
だから本当は、
「湿度」 × 「換気(排出)」 × 「表面温度(性能)」
この3つの掛け算で考えないと、原因を言い当てたことにはなりません。
2. 解決の考え方:3つのレバーをどう調整するか
ここからは、結露を減らしていくための**「解決のフレーム」**だけに絞ってお伝えします。
細かい事例は、次回以降にまわしますね。
レバー①:水蒸気を「増やしすぎない」(発生側の調整)
まずは、空気の中にどれくらい水蒸気を入れているか。
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室内干しの量・場所
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加湿器の台数・設定
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お風呂の湯気の扱い方
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炊飯・煮込み料理の回数や時間
これらを少し見直すだけでも、露点温度を少し下げることができます。
ただし、ここは
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喉の調子
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肌荒れ・静電気
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風邪をひきやすい家族がいるかどうか
など、生活の快適さと直結するところです。
「全部ガマンして湿度を下げましょう」ではなく、
「ストレスが少ない範囲で、
水蒸気の“盛りすぎ”をちょっと抑える」
くらいの感覚がちょうど良いと思います。
レバー②:入れた水蒸気を「きちんと外へ出す」(排出)
次に大事なのが、
せっかく換気設備がついていても、
ちゃんと“働いているか”
という視点です。
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24時間換気の風量設定が弱すぎないか
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フィルターが詰まって実風量が落ちていないか
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排気と給気のバランスが悪くて、室内をぐるっと回らずショートサーキットしていないか
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浴室・キッチンの換気扇を、十分な時間回せているか
ここを整えるだけで、
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室内の水蒸気が「こもる」状態から
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外へスーッと「抜けていく」状態へ
変えていくことができます。
「加湿を減らす」前に、
「換気が本来の力を発揮できているか?」
をチェックするのは、とてもおすすめです。
レバー③:“結露する面”を「冷やさない」(表面温度アップ)
そして、家づくり側がいちばん頑張れるのがここです。
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窓の性能アップ
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樹脂サッシ
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複層ガラス・Low-Eガラス
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内窓の追加 など
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サッシまわり・柱まわりの熱橋(ヒートブリッジ)対策
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断熱材の入れ忘れ・すき間・気流止めの不良をなくす
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暖房を「点けたり消したり」ではなく、
ゆるく連続運転して、家全体の温度を底上げする
これらはすべて、
「窓や壁の表面温度」を
「露点温度より少しでも高く保つ」
ための工夫です。
ここが整っている家ほど、
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同じ湿度でも結露しにくく、
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住み方に対して“器としての許容量”が大きい家
になっていきます。
3. 今日からできる「原因と解決」をつなぐ2ステップ
最後に、「とりあえず何からやればいい?」という視点で。
ステップ1:「いま何が原因っぽいか」をざっくり見立てる
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温湿度計を2台置いてみる
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リビングと寝室
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または、結露しやすい窓まわりと、それ以外
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冬は
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「乾燥しているのに結露する」→ 性能・表面温度側の問題が大きい
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「湿度がかなり高い&窓も冷たい」→ 発生+排出+性能の“全部盛り”
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ざっくりでいいので、
「暮らし側なのか、家側なのか、両方なのか」
の方向性だけでも押さえておくと、話が早くなります。
ステップ2:3つのレバーを「ちょっとずつ」動かしてみる
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発生:
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室内干しを少し減らす・場所を変える
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加湿器の設定を一段階下げて様子を見る
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排出:
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24時間換気の設定を一段階上げる
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フィルター掃除をする
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浴室・キッチンの換気扇の運転時間を少し長くする
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性能:
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一番ひどい窓だけ、まず内窓をつけてみる
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暖房を「短時間強く」から「長時間ゆるく」へ切り替えてみる
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こうして、
「どのレバーをどれだけ動かすと、
結露の量がどう変わるか」
を身体でつかんでいくと、
次にリフォームや家づくりを考えるときの判断軸にもなってくれます。
まとめ:結露は「住み方のせい」ではなく、家と暮らしの共同作業
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結露の原因は、湿度(露点温度)× 表面温度の組合せ
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だから、
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水蒸気を増やしすぎない「発生」
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外へ逃がす「排出」
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冷やさない「表面温度(性能)」
の3つのレバーで考えるとスッキリします。
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「住み方が悪いから」と決めつけるのではなく、
家のほうでも、できるだけ**“許容してあげられる器”**にしていくことが大切。
次回は、このフレームをもとに、
「こういう条件だと、どんな結露が起きやすいか?」という具体的なケース編にしていきます。