建物の南側、どれくらい空ける?
ビオハウジングは「日だまり」をシミュレーションで一緒に探します
こんにちは。福岡のビオハウジング、住宅設計士の竹森です。
家づくりの打ち合わせをしていると、必ずと言っていいほど出てくる質問があります。
「南側って、何メートル空けたら日が入りますか?」
これ、すごく素直で、すごく大事な問いです。
誰だって、朝から自然光が差し込むリビングで過ごしたいですし、洗濯物がカラッと乾く家で暮らしたいですよね。
それに…冬なら、できれば暖房をガンガンかけなくても、じんわり暖かい家がうれしい。
実はその“じんわり”って、南側の空きが握っていることが多いんです。
南側の空きは、言ってみれば 家にとっての「日だまりの通り道」 なんですよね。
「○m空ければ安心」と言い切れない理由
「南側は3m以上空けましょう」みたいな目安、耳にしたことがあると思います。
でも、実際には同じ“3m”でも、家によって日当たりは全然変わってきます。
南にあるのが何かで、影は変わる
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平屋の物置なのか、2階建ての家なのか
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1.5mのフェンスなのか、3階建てのアパートなのか
これだけで、影の落ち方はまったく違います。
窓の種類でも、光の入り方は変わる
同じ距離でも、窓のつくりで“日だまりの質”が変わります。
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掃き出し窓:床に日だまりが落ちやすく、体感として分かりやすい
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腰高窓:家具配置の自由度が上がって、暮らしが組み立てやすい
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ハイサイドライト(高窓):光を奥へ運びやすく、「暗さの保険」になることも
「窓は大きいほどいい」とは限らなくて、欲しい光の入り方で組み合わせるのが効くんです。
冬の太陽は低い。だから影が“ぐーん”と伸びる
冬は太陽が低い位置を通るので、影が長く伸びます。
夏は太陽が高いので影は短い。さらに、朝10時と午後2時では、影の向きも長さもまったく違う。
だから、「この数字が正解です」と決め打ちすると、あとでモヤモヤが残りやすいんです。
住み始めてから「あれ、思ったより暗いな…」は、本当にもったいない。
日当たりは「明るさ」だけじゃなく、暖房の効きにも関係します
ここ、意外と見落とされやすいところなんですが…
冬の晴れた日に日が入ると、床や壁がじんわり温まって、夕方まで“余熱”が残ります。
この感じ、電気ストーブの熱というより、日向ぼっこの熱に近いんですよね。
逆に、日が入らないと、昼間でも暖房が主役になりやすい。
同じ断熱性能でも、体感も、暖房の負担も変わってきます。
「できれば暖房を抑えて、気持ちよく暮らしたい」
誰だってそう思いますよね。だから日だまりは、けっこう大事なんです。
ビオハウジングがやっているのは、難しい計算じゃなくて「見える化」
ここで、私たちの強みをちゃんとお伝えしたいのですが——
ビオハウジングでは、冬至(12月22日ごろ)を基準に、影がどこまで伸びるかをシミュレーションして確認します。
なぜ冬至で見るの?
冬至は、1年でいちばん太陽が低くて、影がいちばん長くなる時期。
つまり冬至は、**“いちばん厳しい試験日”**みたいなものです。
この時期に日が入るなら、他の季節はもっと条件が良くなることが多い。
だから、後悔が減ります。
シミュレーションって難しそう?
いえいえ、難しい式や専門用語は前に出しません。
お客様にお見せするのは、もっと直感的で分かりやすいものです。
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「朝9時は、この辺まで影がきます」
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「午後1時なら、LDKのここに日だまりができます」
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「車庫をこの位置にすると、午後は少し影がかかりますね」
こんなふうに、暮らしの言葉で“見える”ようにします。
図面だけだと“なんとなく”だったものが、スッと腑に落ちるんですよね。
南側に平屋の建物、隣地0.91m、2.73m合計4メートル離れていたらこのような感じです。
あと2mから3m離したいとこですよね、、そこは設計でどうにかしなくてはいけなくなることが多いのですが、、

こんな時こそ、シミュレーションが効きます(2つの例)
例①:南側に車庫や物置を置きたい
「玄関に近くて便利。でも暗くなりませんか?」
これ、よくある悩みです。
でも実は、**“置くかどうか”より、“高さと形と位置”**で結果が大きく変わります。
たとえば、
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車庫の屋根を少し低くする
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物置を東寄りに配置する
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影が伸びにくい形に整える
こういう工夫で、「置いても日だまりは残せる」という選択肢が見えてきます。
実際に、車庫の位置を50cm動かしただけで、リビングの日当たりがガラッと変わった
…なんてことも普通にあります。
影の境界線って斜めなので、ちょっとの差が効くんです。
例②:南側に将来、家が建つかもしれない
今は畑や空き地でも、数年後には家が建つことってありますよね。
「買った時は明るかったのに、3年後に隣に2階建てが…」も、よくある話です。
そうなると、
「なんか冬が寒い…」
「昼間なのに照明つけてる…」
という状態になりやすい。
この場合は、“建った想定”で影を見ておくと安心です。
事前に分かっていれば、
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窓の位置を少し高めにする
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高窓(ハイサイドライト)を組み合わせる
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吹き抜けや天窓を検討する
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リビング配置そのものを変える
といった対策が、設計段階で打てます。
気持ちよさって、こういう**「先回り」**で守れるんです。
日だまりがある家の、あの感じ(体感の話)
日当たりって、ただ「明るい/暗い」だけじゃないんですよね。
冬に日が入ると、こんな違いが生まれます。
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朝の空気が軽い ——目覚めの瞬間から、家がやわらかい
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体がゆるむ ——日だまりでコーヒーを飲むだけで、気持ちがほどける
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乾きやすくて、家が気持ちいい ——湿気がこもりにくく、カビやニオイの心配が減る
こういう“居心地”の差が、毎日の暮らしに出てきます。
逆に、日当たりが足りない家は、どこか「重たい」。
昼間なのに照明が必要だったり、冬場に底冷えしたり。
小さなストレスが積み重なるのって、地味に効くんですよね…。
だから私たちは、南側の距離を
**「削れるところ」ではなく、「暮らしの気持ちよさをつくるところ」**として扱っています。
もし「うちの場合は?」と思ったら
南側の答えは、敷地と周りの条件で変わります。
隣の建物の高さも、道路の向きも、窓の配置も、全部が関係してくる。
だからこそ、ひとつとして同じ答えはないんです。
ビオハウジングでは、日当たりをシミュレーションして、
**その土地、その暮らしに合う「日だまりの通り道」**を一緒に探します。
「ここに光が欲しい」
「この時間に日が入ってほしい」
「冬でも暖房を抑えて、気持ちよく過ごしたい」
そんな希望を、目に見える形にしていく。
それが、私たちのシミュレーションです。
もし、計画中の土地や間取りで「日当たり、ちょっと心配かも…」と思ったら、気軽にご相談ください。
一緒に、光に包まれた“気持ちいい暮らし”を設計していきましょう。
ビオハウジング 竹森
