気になる身体への影響|電磁波の「電場」と「磁場」って何が違うの?
こんにちは、福岡のビオハウジング
健康オタクの住宅設計士、竹森哲也です。

「電磁波って身体に悪いんですか?」
家づくりやリノベのご相談を受けていると、よくいただくご質問です。
ひとことで「電磁波」と言っても、その中には
「電場」と「磁場」という、性質の違う2つの要素が含まれています。
そして、どちらも身体への影響が懸念されているという点では共通しています。
今回は、この2つが身体にどう関わるのかを、できるだけやさしくお話しします。
電磁波の意味と性質 ─ 「電」と「磁」と「波」
まずは、言葉の整理から。
電磁波=「電」+「磁」+「波」 の複合語です。
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「電」=電気=電場(電界)
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「磁」=磁気=磁場(磁界)
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そして、それらが波として空間を伝わる性質
電気を使えば、必ずこの「電場」と「磁場」が生まれます。
そして、どちらも目には見えませんが、
人の身体や家電、建物の中を行き来しているのです。
ここからは、それぞれを分けて見ていきます。
「電場」による身体への影響
生体電位と電場
人間や動物の身体の中では、
神経と神経の間で「生体電位」と呼ばれる微弱な電気信号がやりとりされています。
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細胞に栄養を届ける
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筋肉を動かす
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痛みや心地よさを感じる
こうした細胞レベルの情報伝達は、すべて電気信号が担っています。
ところが、この繊細な信号に、外側から**人工的な「電場」**がかぶさるとどうなるか。
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情報がノイズに埋もれる
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神経の働きが乱れやすくなる
といった影響が出るのではないかと考えられています。
皮膚のバリアへの影響
また、人間には本来、皮膚の表面に
バリアのような役割をもつ電位差があります。
電場が強い環境では、このバリアに悪影響を与え、
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乾燥しやすい
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かゆみ・赤みが出やすい
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肌荒れが続く
といった皮膚トラブルを引き起こす可能性も指摘されています。
電場対策:アースで「寄せ付けない」
電場は、「行き場を失った電気」がまとわりついているような状態です。
そこで必要になるのが 「アース(接地)」。
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電化製品や配線にアースをとる
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たまった電気を地面に逃がす
ことで、電場そのものを減らし、
身体に電場を寄せ付けない環境をつくることができます。
「磁場」による身体への影響
ドリルのように進む磁場
磁場は、電流(流れる電気の量)によって生まれます。
波打つように進み、まるでドリルで穴を掘るように空間を貫通していきます。
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厚い壁
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床材や天井材
こうした障壁も、磁場にとってはほとんど意味を持ちません。
そのため、磁場は電化製品の誤作動の原因になることが分かっています。
同じように、
精密機械ともいえる人の身体にも、
何らかの影響があると考えられても不思議ではありません。
ただし「届く範囲」は意外と短い
一方で、磁場には良いニュースもあります。
それは、距離が離れると一気に弱まるという性質です。
一般的には、
おおよそ「30cm以上」離れれば、
磁場の影響は極端に軽微になる
とされています。
つまり、磁場の影響を避けるためのシンプルなコツは、
**「離れること」**なのです。
磁場対策:距離をとる生活の工夫
磁場から身を守るために、今日からできる工夫の例を挙げてみます。
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携帯電話を耳に直接当てず、イヤホンやスピーカーモードで使う
→ 本体を30cm以上離せるとベスト -
電気毛布や電気カーペットを長時間つけたまま眠らない
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ベッドのすぐ横・下に
大きな電源タップやトランス機器を置かない
「たった30cmの差」が、
身体が浴びる磁場の量を大きく変えてくれます。
電場はアースで、磁場は距離で “整える”
ここまでをまとめると、
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電場
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生体電位や皮膚バリアに影響しやすい
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対策:アースで逃がして寄せ付けない
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磁場
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壁を貫通するが、距離で急速に弱まる
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対策:発生源から30cm以上離れる
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というシンプルな整理になります。
大切なのは、
「電磁波=ゼロにできないから怖い」ではなく、
電気の流れを、身体にとって無理のない状態に“整える”
という視点で暮らしや家づくりを考えることだと思っています。
当社の取り組みとご相談について
ビオハウジングでは、
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配線ルート
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アース設計
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寝室やリビングのレイアウト
といった設計段階での電磁波対策に加え、
完成後の住まいに対する測定・改善提案も行っています。
※ 当社には、一般社団法人EMFA認定の「1級電磁波測定士」が在籍しており、
電場・磁場の測定や、具体的な改善アドバイスが可能です。
「なんとなく気になる…」という段階でも大丈夫です。
一度“見えない環境”を見える化してみると、
暮らしの安心感が大きく変わってきます。