劣化するのは家ではなく価値|失われた住宅資産500兆円の教訓【福岡・北九州】
■ 劣化するのは「家」ではなく「価値」
日本では、「住宅の寿命は30年」と言われます。
しかし、それは“建物そのもの”が30年で壊れるという意味ではありません。
実際、構造材や基礎は50〜60年以上もつケースが多く、
適切にメンテナンスすれば100年住み続けることも可能です。
それでも多くの家が30年で建て替えられてしまう――。
その理由は、家の価値が失われてしまう設計や性能にあるのです。
■ 日本では「住まいの価値」が急速に下がる
日本では、建物の資産価値が築後20〜30年でほぼゼロになるという現実があります。
実際、国土交通省の試算では、
戦後から現在までに失われた住宅資産の総額は約500兆円。
これは、欧米諸国のように「家が資産として残る」構造とは対照的です。
家そのものは残っていても、「価値」として評価されない。
この“構造的な損失”こそが、日本の住宅文化が抱える大きな課題です。
■ なぜ価値が下がるのか?4つの要因
① 断熱・気密性能の劣化
かつての住宅は断熱材が薄く、気密性能も低いため、
現代の省エネ基準に対応できないケースがほとんどです。
結果として、冷暖房効率が悪く、光熱費が高くなる“時代遅れの家”になります。
② 耐震性の不足
1981年以前の旧耐震基準の住宅は、震度6クラスの地震に耐えられない可能性があります。
基礎や構造自体はしっかりしていても、耐震設計が古いままでは安全性が評価されず、
資産価値を大きく下げる要因になります。
③ 間取り・動線のズレ
高度経済成長期に多かった“仕切りの多い間取り”や“閉じたキッチン”は、
現代のライフスタイルに合いません。
家そのものよりも、暮らしの変化に対応できない設計が価値を下げてしまいます。
④ 換気や通気性の不足
通気層のない壁構造や断熱欠損によって、
内部結露・カビ・腐朽菌などのリスクが高まります。
これが構造材の劣化や健康被害につながり、
「見えないところから家が傷む」結果、価値を損なうのです。
■ 欧米では“時間が経つほど価値が増す”家もある
イギリスやドイツ、フランスでは、
築100年を超える住宅が今も現役で暮らしの場として使われています。
その理由は:
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長期使用を前提とした構造設計とメンテナンス文化
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内装だけを更新しながら、骨格を残すリノベーション文化
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資産としての「評価基準」が整備されている
つまり、欧米では「古い=価値が低い」ではなく、
「時間を経て価値が増す」という考え方が根付いているのです。
✅ 福岡・北九州で“価値が続く家”を建てるには
福岡・北九州のように湿気や台風も多い地域では、
性能・耐久性・通気性のバランスが特に重要です。
私たちは次のような設計を重視しています:
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高断熱・高気密で快適性と省エネを両立
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耐震+調湿+通気設計で長寿命化
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自然素材を活かし、経年美化する家を実現
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将来リフォームしやすい可変性のある間取り
“建てて終わり”ではなく、“時間とともに育つ家”。
それが、資産として残る家づくりの第一歩です。
✍️ まとめ
日本では「建物の寿命」ではなく「価値の寿命」が短い。
500兆円もの住宅資産が失われた背景には、
“時代に合わせられない設計”と“使い捨ての文化”があります。福岡・北九州で家を建てるなら、
性能・構造・デザインのバランスを取りながら、
**未来に誇れる“価値が続く家”**を一緒につくりましょう。